令和5年港区防災士有資格者研修
避難所において防災士ができること (港区防災アドバイザー 佐藤純)
〇避難所における環境整備の方法を学ぶ
避難生活に必要な空間や環境を把握し課題に気づく力を身につける
地域の文化や被災者一人ひとりに配慮した生活動線やスペースの配慮、環境の整え方を学ぶ
・避難所の機能は災害の危機から命と身を守る場所である
生活の場、中長期的な避難生活を送る施設であり、地域の支援拠点の役割がある
〇避難所運営の一日の流れ
・早朝は朝食の受け取りであるが、生活リズムの違いがある
・午前中は体操、朝食、運営業務の引継ぎ、清掃・消毒、昼食の準備灘がある
・午後は昼食、避難所運営会議、個別の相談対応、物資の管理・補充、入浴や買い物等の支援がある
・夕方は夕食の提供、住民との意見交換会などがある
・夜間は清掃・消毒と消灯があり、就寝となる
・それぞれの状況や事情を考慮した運営方法を考える:避難者に配慮した時間設定や内容を考えていく
〇避難所運営の担い手
・被災者が主体的に運営し、施設管理者は避難所の提供と使い方の指導を行う
・自治体職員は情報の集約や伝達など行政の調整役で、ボランティアは被災者主体の運営のサポートを行う
・避難所運営のポイントは 被災者の困りごとに気づく力、暮らしの動線を意識する力
課題解決のための実行力、避難所運営に関する情報共有、運営に参加できる環境を整える
統廃合や閉所に向けた移行期のサポートが一番パワーが必要になる
避難所退所後はコミュニティから外れるのでサポートが重要になる
〇生活機能の低下による災害関連死
・慣れない暮らし、避難先での適応困難、役割の喪失、活動量の低下ににょり生活機能が低下する
避難所での生活で肥満、脂質異常、高血圧、アルコール依存などが出てくる
・生活機能が低下すると災害関連死につながるが、これは防ぎえる災害死と考えている
〇生活環境の整備
・生活環境は、受付、物資の調達・管理・配布、寝床、トイレ・洗面所、食事の内容・管理・配膳・食事スペース、
衛生環境、生活スペース、入浴、施設の管理・整備、暑さ・寒さ対策、情報提供・共有、安全管理がある
・物理的な環境整備と関係者との調整や連携、運営体制の構築の2つの要素が重要である
災害時のペットの避難行動について (東京都獣医師会事務局長 平井潤子)
〇人とペットの災害対策の目標は? 家族の一員であるペットを守るための対策なか!
動物を愛護する、動物の福祉を守る、生命尊重、飼い主心情への配慮
・災害時のペットの避難と飼い主(住民)の安全の確保や環境保全は密接に関連している
〇同行避難出来ない場合に生じる課題
避難を拒み危険な場所に残る(戻る)飼育者、二次被害のリスクのある危険地域での救助活動
被害地に残され群れた犬にによる咬傷事故や不安、排泄物などによる公衆衛生環境への影響
・具体的な取り組み
地域防災計画への動物救助活動、避難場所等でのペット受け入れに関する記載
ガイドライン等の整備とペットの災害対策に関する飼い主等への普及啓発