世界の変化をリードする社会イノバーション 日立 東原社長
・最初に
・今日は日立の取り組む社会イノベーション事業の進化を具体的事例を交えて紹介したいと思う。
・ロボット“エミュ”が出てきて挨拶をする。映像を見てどう考えたか?東京の高齢者を支えるロボットです。
コミュニケーションロボットのあり方を考えてみました。
1.世界の変化と日立の社会イノベーション
・今、グローバル化やデジタル化に伴って価値観が変わってきており、複雑化している。デジタル化に伴い、
新しいサービスが出てきている。皆さんもスマホを中心に生活環境が大きく変わったのではないかと思う。
プレイヤーやライフスタイルが劇的に変わってきている。
・英国のEU離脱や各所での自然災害、アメリカの選挙など、人々の想像を超えた変化が出ている。世界は
不確実な時代になってきた。世界でデジタル化の取り組みが進展しており、米国ではインダストリアルイン
ターネット、欧州ではインダストリアル4.0、中国製造2025など、新たなイノベーションを創出する取り組み
が加速している。これに伴い、人々のし好も、モノからこと、専有からシェアへ、クローズドからオープンへ、
個別最適から全体最適へと大きく変化しており、様々なパラダイム変化が起きている。
・課題先進国と言われている日本は超スマート社会ソーシャル5.0を進めており、これで世界をリードしたい
と取り組んでいる。スマート生産システムや地域包括ケアシステムなどに取り組んでおり、これにより社会
課題の解決と経済の発展を同時に解決したいと考えている。
・新たな価値を作る原動力はデジタル技術に裏打ちされたデータの利活用である。ビックデータを活用する
ことで課題を見える化し、解決策を構築し、新たな価値創出につなげていく考えである。原動力のもう一つ
はオープンイノベーションである。組織や産業、地域を越えて新たな価値を創出することである。
日立は社会インフラ事業を通じて、これまで培ってきた現場のOT,、状況を分析し、経営を支援していくIT、
各種のプロダクトやシステムの組合わせによる社会イノベーション事業を展開してきた。日立の目指す姿
はIoT時代のイノベーションパートナーになることである。日立は協創とつなぐという考えで、みなさんと共有
したいと考えている。
2.協創
・日立の協創を加速する取り組みは、お客様の新たな価値を創出するため、課題やビジョンを見出し見える
化し、新たなビジネスモデルをデザインし、検証、シュミレーションを通じて具体化していくプロセスである。
日立ではこの一連のプロセスをNEXPERIENCEというフレームワークとして体系化し、お客様と活用している。
具体例として、エクスグラフィ調査、Exアプローチ、ビジョンデザインなどがある。
3.つなぐ
・デジタル化が急速に進展する中で、協創のプロセスをスピーディに回していくためには、多くのステク
ホルダーがより多くのアイデアやデータを持ち寄り、オープンでセキュアなプラットフォームが必要である。
IoTプラットフォームLumadaを立ち上げ、5月より提供している。Lumadaはお客さまとの課題共有や分析、
ビジネスモデルデザインの検証やシュミレーション、サービスの提供まで一貫した協創を可能としている。
同時に、お客さまの経営課題と現場から持ってきたデータ、ITシステム上のビジネスデータをデジタイル
技術でつなぎ、新たな価値をスピーディに作り上げるIoTプラットフォームである。
・Lumadaはお客さまのデータに光を当てるということから生まれた言葉である。オープアーキテクチャであり、
色々なシステムと繋がること、高信頼性であることが特徴である。コア技術として人工知能とアナレティクス、
ロボテックスを紹介する。日立の人工知能は、人を代替えする物でなく、人と共存し人を支援する技術である。
人の思考パターンを超え、多様化する社会やビジネスに自動適応し、人が気づかない危険を見出すことで、
新たな価値創出に貢献する技術である。特徴は汎用AIであり、目標設定と最終判断は人が行うことである。
人工知能Hは既に14分野、54事業で利用されており、流通コストの削減や物流の生産性を上げている。
アナレテックスは多種多様なデータを迅速に統合し、分析・可視化する技術である。非構造化データなど
を含めて100種類以上のデータに対応し、迅速に統合・可視化できるようにしている。金融・公共・流通など
1500のお客様に提供している。金融機関では数兆件のデータから不正取引のデータを検出している。
日立はヒューマノイドロボット“エミュー”の公共施設での活用の他に、様々なロボットを開発をしている。
日立のロボティクスは、ロボッ、ト単体ではなく、IoTのセンサー、エッジコンピュータとして、現場のデータを
クラウド上のロボットIT基盤に伝え、最適解を現場にフィードバックする。複数のロボットが連携することで、
相互の連携や遠隔監視が可能としている。ヒューマノイドロボット“EMIEW”は時速6Kmで走行し、画像、
多言語を認識し、能動的に行動することが出来るため、病院で使われており、空港でも活用を進めている。
4.価値創出事例
・Lumadaを中心に活用し、価値創出の事例について説明する。社内の大みか事業所で活用し、リードタイム
を50%改善した。8万個のRFIDタグと接続して生産監視システムの改善を行い、工場シュミレータを作った。
ダイセルとは作業員の動作の逸脱を検知して、アラームにより監督者が指導することで作業効率を上げた。
三菱東京UFJとはシンガポールでブロックチェーンを活用したフィンテックサービスの開発を進めている。
米国スポーツ団体とは監視カメラやセンサーデータ、ソーシャルメディア情報をつなぎ、事故を実現している。
5.豊かな社会に実現について
・日立は産業・流通業界では、物流や製造、流通など個々の産業の革新してきたが、デジタル技術でつなぐ
ことで新たな価値を創出して、産業・流通業界のバリューチェン革新に貢献できると考えている。
地域コミュニテイでも、エネルギーや鉄道をはじめ社会インフラ、ビジネス空間や商業エリアをデジタイル
技術でつなぐことにより、より快適で便利なコミュニテイシティを実現できると考えている。
世界の英知、優れた研究機関や大学などとつながることで、社会の中心にある人や暮らし、価値観への
理解を深め、より深い知見や幅広い洞察に基づいた協創を進めていくことが出来るようにしたい「。
・不確実性が高まり、デジタル化が加速する中で、課題を解決するため、新たな価値を創出していくには、
皆さんとの協創とデータやナレッジなどをつなぐことが重要である。産官学をデジタルでつなぎ、課題を
解決しながら、大きな価値を創出し、そこに暮らす一人一人のクォーリティライフを向上させることが日立
の目指す姿である。
「一言」日立の社長のお話を1時間聞いて、メモを取っていたが、インターネットの講演をもう一度聞くと
かなり、印象が違っていることがわかった。もう一度、講演を聞きまとめると、3時間近くかかった。