デジタル・テクノロジーによるビジネス改革で
                          日本が飛躍するための提言      学習院大学 伊藤教授

    ・データの扱いには、国際標準として展開する米国と国内特有展開する中国の2つの流れがある。

     EUはどうするか考えている状況である。日本はどうするのか同じような課題である。

    ・データをどうするか規制する話がある。データは自動車、医療、フィンテックなど色々な分野がある。

     政府の委員会で検討しており、座長をしているが、近々に報告書が出る予定なっているので、報告書

     を良く読んで欲しい。データの扱いについては、圧倒的なアメリカの前で日本はどうするか悩んでいる。

     情報のビジネスではアマゾンなどアメリカのサービスを徹底的に使うことである。データにはバーチャル

     データとリアルデータの使用が考えられるが、膨大なリアルデータは眠っている。日本には、SUICA

     利用データや国民保険の医療データなど色々なデータがあり、これらを使うと面白いビジネスが出来る。

    ・あらゆるビジネスでリアルデータがあり、それらのデータをどう使っていくのかが大切である。バーチャルと

     リアル関係が重要になってくると思う。日本で大きなビジネスになってくるデータとしてモビリティがある

     2つ目は健康に暮らすということであり、大きなマーケットがある。これらのデータが技術を変化していくこと

     なる。3つ目はIoTで、センサーで情報を集めて、ビックデータとする。データをAI化し、使うためにロボット

     等に理容することが考えられる。ドイツでは国がすべてのデータでビジネスを改革する取り組みを実施して

     いる4つ目はスマートシティである。どこで事故が起きているのかのパブリックデータがある。このデータ

     活用すれば、どうすれば事故が減るようすることが出来る。

    ・今日話したいことは今起きている社会の変化の切り口の分析が出来ないかということである。5つある。

     1つは情報化が進めば、労働者が直接つながってくる。2つ目は売り手と買い手の関係が変わる。売り切り

     でなく、サブスクリプションが出てくる。3つ目は破壊の動きである。ベンチャーは新しいビジネスを求めている。

     守る方は自分を変えていかないといけなくなる。4つ目は労働者と資本家に影響するが、人手不足が出てくる。

     これが大きなビジネスチャンスとなる。5つ目はデータが大きな資産となる。今はリアルデータが眠っている。

    ・前段で、技術革新のマグ二チューはどうかと考えると、ここ23年で技術が大幅に進歩していることである。

     最近、偽ニュースが話題になっているが、誰が偽ニュースを作っているかいうことであるが、マケドニアの

     貧乏な人たちが作っているという話がある。偽ニュースを作ってアクセスが増えると収入が増える仕組みに

     なっている。この人達は英語が出来ないが、グーグールの翻訳ソフトを使って作っているとのことである。

     IBMのコピュータがチェスのチャンピョンに勝ったことがあり、過去のデータを覚えさせていたとのことだった

     で、囲碁では無理だと言われていた。しかし、最近、ディープラーニングが囲碁のプロ棋士に勝った

     囲碁ルールをコンピュータに教えて、コンピュータ同士で囲碁を行わせて、学習させて力をつけてきた結果

     である。コンピュータは休まず、囲碁が出来るので、ディープラーニングにより成長させることが出来る。

    ・ファナックの西川社長が取り組んでいるディープラーニングを見ると凄い。自分で勉強するAIが進んでいる。

     10年もすると完全な翻訳が出来るようになると言われている。今、研究室の人が時間をかけて英語の勉強

     しているが、苦労して英語を勉強することが大事か心配になる。

    ・もう一つ恐ろしいのはIoTである。10年前には情報は増えないと言われていた。情報はすべて人間が作って

     いたので、限界があると思っていた。今では、コンピュータが情報を作っている。GPSがついたスマホのデータ

     を集めている。スマホの動きから交通渋滞分かるようになった。

    ・情報の価値が重要になるということが大きなテーマになる。お客様が大きく消費構造を変える時期がある。

     子供が生まれた時であり、購入するものが大きく変わるので、早く知ることが大事である。カードの履歴を

     分析すれば分かる。アメリカの例では、妊娠すると臭いが気になるのでので、臭いの少ない製品を選ぶように

     なる。また、カルシュームを摂るようになるのでセールスにつなげている。データの持っているバリューの考え

     が必要である。アリババではお客様に点数をつけており、サービスを変えているという噂がある。データの問題

     は避けて通れない。

    ・つながっていることが大事である。卸業者が昔は1000以上あったが、今は3つか4つに集約されている。卸業者

     の機能は売るルートを作ること、金融決済をすること、ロジスティクスの3つである。商流と決済はコンピュータが

     処理するようになり、ロジスティクだけが残った。ロジスティクスだけでは生き残れなくなり集約されてしまった。

    ・末端のお客と生産者がつながるようになる。良いものを見つけると写真を撮り、検索すると製品が分かるので、

     その製品を直接買うことになる。今までは売るチャネルを確保して、ものを作らなければいけなかったが、今は

     変わっている。アリババは1111日に18千億円を売った。ユニクロは2分で大量に売った。

    ・物流でも面白い話が出てくるかも知れない。アマゾンではウーバーを使うことを考えている。物流を上手く使おう

     と思うならば、大手物流を使っていく必要がある。あらゆるものがつながっている。

    ・気になるのがサブスクリクションである。栗田工業がパナソニック工場近くに工場を作った。パナソニックの

     工場から出た汚れた水をきれいにすることを新しいビジネスにした。浄化製品を売るのではなく、継続的にお金

     が入るようになった。GEはジェットエンジンは非常に安く売って、メンテナンスで稼ぐビジネスをしている。日本の

     サブスクリクションビジネスに強いのはコピーメーカである。機械は安くして、メンテナンスやインク代で稼いでいる。

     オイシックスも上手いビジネスをやっている。ある時間までに注文を修正しないとデファクトの製品を送ってくるよう

     になっている。

    ・3つ目はフィンテックである。フィンテックが何をやっているかと言うことであるが、銀行はたくさんの支店を持って、

     優秀な人が様々なサービスをやっていることが強みであるので、機能がバラけていくことを恐れている。ベンチャー

     は色々な切り口でビジネスチャンスはあるが、守る方は今までのやり方では無理なので、抜本的に変えていく必要

     がある。シアーズは色々なビジネスの先頭を走っていたが、今では力が落ちてきた。技術がどんどん進むと共に、

     消費者がかわっていくのである。

    ・4つ目の話は労働者をどう確保するかである。人手不足は新しいビジネスである。薬剤師はお客様に症状を聞き

     薬を渡しているが、その後、お客様の健康管理の資料を作る必要がある。その資料を作るのをビジネスとしている

     会社が出てきた。ビザスクは伊藤教授の教え子が作った会社であるが、スポットコンサルをビジネスにしている。

     会社のOBや専門家など35千人が登録している。お客様の要望に合わせて、専門家を紹介するビジネスをして

     いるが、顧客は大手企業が多い。社内の人だけで仕事をする時期は終わった。社外の専門家も使い、人手不足に

     対応する時期が来ている。

   「一言」 伊藤教授の話を久しぶりに聞いた感じがする。今日のお話はこれからに時代にビジネスが大きく

        変わっていくということであるが、竹中平蔵さんと同じような意見である。しかし、ニーズや新しい
  
        ビジネスモデルのイメージが良く分からなく、お話も分かり難いところが多い感じがした。そのため、
 
        聞いて感じたままにまとめた部分も多い状況になりました。