日本の価値を世界に売る     三越伊勢丹HD  大西社長

   ・日本の小売業の扱い高は139兆円であるが、百貨店の扱い高は6.1兆円である。1991年には9.7兆円あったが

    年々減少している。三越伊勢丹では爆買いに頼るのではないが、大きな比率を占めてきた。サプライチェーンを

    変えていかないと思い、三越伊勢丹ではものつくりを進めてきた。

   ・日本のサービス分野の生産性が低いと言われているが、当社では売っている人は25千万円も売っているが、

    平均すると1500万円の売上である。しかし、最も売っている人も他の人と給与はほとんど変わらない。売っている

    人に対して報いるため、歩合制にしたいと考えている。今年は120人で始めたが、来年には1000人くらいにしたい

    と考えている。しかし、組合が不公平だということで反対しているので、急速に進めることを難しくしている。

   ・三越伊勢丹では社員に対する休みを増やしている。お客様がどのように感じてもらうかがポイントとなることから、

    働く人の環境を良くしたいと考えている。写真が休みを取ると売上は減るが、長期的に考えると大事なことである。   

    昔は百貨店も週一日は休んでいたが、売上が下がってきたので、休みをなくしてきた。少しでも改善したいと思う。

    今年の4月からはBS Japan と手を組んで真夜中の百貨店をやることにしている。リアルのお店は役割があるので

    利便性ではコンビニがあり、百貨店が夜中にお店を開くことは難しい。

   ・デパートのプライチェーンの衣料が苦しくなっているので、自分で作るようになってきたが、自分で作ったものは

    買い取っている。商品の価値と価格のバランスが問題で、ユニクロやザラではこれを改善しているので、デパート

    でもこの問題を改善している。このため、売り切ることが大切であり、サプライチェーンが大事になっている。三越

    伊勢丹では浅草に工場を持つようにした。海外でも良いレスポンスが出ている。JAPAN SENSESでは、日本に

    良いものがあるので、日本のお客様に紹介している。This is Japanも同様なメッセージである。

   ・海外から来る人もリピータが増えている。最初にきた時は物を買っているが、2回目からは日本の良いものを探して

    いるので、日本の良いものを紹介するようにしていきたいと思っている。

   ・日本に対する提言は“地方の活性化(創生)”である。地方には良いものがあり、色々と発信をしているが、縦わりに

    なっており、上手くいっていない。インバウンドの方たちを如何にして地方に行って貰うかが大切であると考えている。

   「一言」三越伊勢丹の大西社長のお話は、百貨店が大きく変わろうとしていることが感じられた。商品の価値と価格の

       バランスを改善するため、自社で工場を持つようになっており、買い取りを進めているということはもっともだ

       と思った。