NEC株主総会模様:事業の経過と成果                    28.6.22

  ・2015年度は米国や欧州など先進国が堅調に推移したが、新興国の成長が大きく減速したことから、事業目標は達成できなかった。

  ・日本経済は、企業業績は堅調だが、個人消費や公共投資が減少し、輸出が低迷していることから、NECグループでは社会価値

   創造型企業への変革を宣言した「2015年中期経営計画」の最終年度として、3つの経営方針「社会ソリューション事業への注力」、

  「アジアへの注力、現地主導型ビジネスの推進」、「安定的な財政基盤の構築」に基づき、グローバル展開力のある社会ソリュー

   ション事業の確立に向けた取り組みを進めてきた。

 「社会ソリューション事業への注力」は、次世代ネットワーク技術のSDNクラウド、ビックデータ、セーフティ・セキュリティ

   の領域に重点投資を行い、事業拡大に取り組むこととし、売上を2015年の1200億円から2018年には2300億円に増やす予定である。

  ・SDNはドコモが運用を開始したり、病院、交通、自治体やデータセンター等で600システムが稼働している。クラウドはサービス

   利用型の「NEC Cloud Iaas」と所有型の「NEC Cloud System」、双方を連携させるハイブリッドクラウドなど、クラウド基盤事業

   の強化を進め、顧客の業務の安全な運用と情報通信基盤の高度化を支えている。ビックデータは、金融機関のお客様の声を集めた

   大量のテキスト文書を自動解析するシステムを提供すると共に、IoTや人工知能(AI)の取り組みを強化している。セーフティ・

   セキュリティでは、マイナンバー関連システムの構築、運用、導入に向けたサポートを展開し、現在の売上100億円を2018年には

   420億円に増やしていく予定である。個人番号カード交付時の本人確認に利用する顔認証システムを受注しており、世界70ケ国、

   700システム以上で生体認証システムを受注している。

 ・ 「アジアへの注力、現地主導型ビジネスの推進」では、セーフティなどの領域を中心に成長事業の育成やビジネスモデルの確立に

   取り組んだ。具体的には、フィリピンの自動指紋認証システムやオーストラリアの顔認証システム、ブラジルなどの14国際空港の

   税関の顔認証システム、アルゼンチンの地下鉄のセキュリティシステムを受注した。また、顧客の情報資産をサイバー攻撃から

   守るサーバセキュリティ・ファクトリーを日本に次いで、シンガポールにも開設し、100団体、800組織から受注した。

 「安定的な財政基盤の構築」では、当期純利益の確保と有利子負債の削減により、バランスシートの健全化を図った。また、NEC

   マネージメントパートナー()を軸とした業務改善推進プロジェクトに取り組み、スタッフ機能や共通IT資産の移管を実施した。

  ・当期の売上はエンタープライズ事業が増収したが、パブリック事業やテレコムキャリア事業が減収して、前期より1143億円減少し、

   28212億円となった。売上減少で、営業損益は208億円悪化し、1073億円になり、当期純損益は294億円悪化し、827億円になった。

 「一言」はじめてNECの株主総会に行った 。事業状況を聞いたが、利益の確保に向けて、努力していることが分かった。

     しかし、新しい技術に積極的に取り組んでいる状況は分かったが、技術を部品的なシステムとして販売しており、

     売り上げを大きく上げることができていないので、減収減益が続く様子がした。NECには期待したいと思うので

     少し残念な感じだった。