システムインテグレーションの崩壊          ネットコマース()  斉藤社長
                

  1.ポストSIビジネスのシナリオ

    ・IT分野では、クラウド、ビックデータ、アナリティクス、インターネット、スマートデバイス、人工知能/ロボットが話題となっており、最新

     トレンドとなっている。更に、最近検討が進んでいるIoTでは、インターネットにつながるモノが急速に増えると同時に、モノにセンサー

     付けてデータを集める動きが出ている。センサーか日常のデータをデジタルデータとして集め、ビジネスに活用する考えである

     ソーシャルメディア利用者が発信しているデータを集めて分析することにより、個人の趣味や嗜好、世の中の風評などを読み取る

     ことが出来る。これらは現実社会をデジタルデータ化していると考えられる。スマートデバイスは現在22億個であるが、IoTが進んでいく

     200300億個になる。これらのデバイスやセンサーから出てくる情報や画像、音声などは非構造型のデータになる

    ・これらのデータから価値を見つけ出すためには、人工知能が必要となってくる。この人工知能がビジネスに影響を及ぼそうとしている

     コンテキスト・テクノロジーが注目されている。もう一つ注目されているのがロボット(スマートマシン)である。

    ・これらの技術や設備を一つの企業が持つのは大変なので、クラウドを取り入れつつある。サービスオリエントの機能を組み合せていく

     ようになる。クラウドの活用により、ITインフラの構築と運用はクラウドや人工知能に代替えされるようになる。自律化により、人間でしか

     出来なかったことを実現することが出来るようになる。


  2.システムインテグレーションの課題

    ・アプリケーションソフトウエアの開発と運用はビジネススピードとの同期化を求められている。そのために、アジャイル開発が出てきている

     ビジネスでは競争力を強化にするために、テクノロジーへの依存を高めている。それに伴い、これまでの工数価値からビジネス価値の

     向上
向かっている。ビジネス価値を生み出すために、色々な機能を新しく組み合せることにより創り出している

    ・クラウドコンピューティングのビジネス構造として、システム資源の共同購買とサービス化が行われており、これにより自動化と自律化、

     オンデマンド、従量制課金を実現している。それに伴って、低コスト化や俊敏性とスケーラビリティを実現している。このため、徹底した標準

     化
セルフサービス化が進んでいる。

    ・ASPPaasの違いは、コストが2桁くらい下がり、運用も安くなることである。Paasの起源はSalesforceAPIを公開したことにより、マッシュ

     アップ開発が出てきた。


  3.日米のITエンジニアと特徴とビジネス価値向上

    ・日米の企業文化の違いは、ITエンジニアの人数である。日本はITベンダーにITエンジニアが75%集まっているが、アメリカではユーザ

     企業にITエンジニアが72%いる。そのため、アメリカの企業では自社でシステム開発が出来ており、ユーザ企業のビジネス価値の向上

     が生産性向上になっている。しかし、日本のIT企業では工数で管理しているため、生産性向上は開発コストの削減になり、下請け構造

     と社員の重労働につながっている。日本のITエンジニアがクラウド化の足を引っ張ることになっている。

    ・ユーザ企業ではビジネスを価値を高めるため、要求するシステムはどんどん変わることから、仕様変更が次々と出てくる。しかし、

     IT企業では、工数で受注しているため、仕様変更を受けているとコストが上昇して利益がなくなるため、ユーザ企業との間で訴訟が

     起きている。このように、現在のビジネス社会では工数ビジネスは馴染まなくなっている。このため、プログラムを作らない方向は止め

     らないと思う。このように日本のIT企業とユーザ企業には、ビジネス価値の向上と生産性向上というゴールの不一致による構造的

     不幸が起きており、相互不信をもたらしている。更に、IT企業には人口の減少により技術者が減少しており、に、生産年齢の人が

     減少
している問題がある。今後、工数ビジネスに基づくシステムインテグレーションは崩壊していき、ビジネス価値の向上を目指して、

     クラウド
の活用がむと考えられる。


  Bluemix
   IBM 高瀬部長

    ・開発のパラダイムシフトが起きており、お客様とビジネスをどう持っていくのかがポイントである。ビジネスに影響を及ぼす外部要因と

     して、市場の変化とテクノロジーがあるが、テクノロジーの意味が違っており、システム技術のテクノロジーではなく、ITドリブンのような

     ビジネス的なテクノロジーである。

    ・戦略策定に強い影響力を持つのは誰かというアンケートで、経営陣が1番目で、お客様は2番目になっている。お客様の要望はどんどん

     変化していくので、お客様第一と言っても、お客様の要望に対応していくだけでは、お客の要望が変わっていくので駄目になってきた。

     しかし、成功しているIT企業には、お客様を理解し、つながっている企業が多い。企業のデジタル戦略が策定されていない状況である。

    ・構造的改革では、フロントラインでの意思決定、インサイドドリブンプロセス、デジタルイノベーションなどがある。デジタルイノベーションでは

     顧客とのエンゲージメントの強化である。デゴ社はホームページを通じて、お客様の声を積極的に聞き、ホームページのリニューアルを

     繰り
返したことでお客様を集めた。フィードバックループを作ることと新技術に適用できるようにするため、クラウドを活用するようになった。

    ・開発者はコンポサブルな開発と新テクノロジーへの適用を求められる。IBMは、ポータビリティと可視化とコントロール、生産性のため、

     Paas
であるBluemixを提案している。


 
  「感想」現在の工数ベースのビジネスが行き詰っていることを上手く説明していたが、話が色々と拡がって行くので、細かい部分は良く

       分からないところが多かった。そのため、まとめる時は分からない部分は聞いたままをまとめることにした。後半はIBMの部長が

       Paasの製品を説明していたが、専門用語が多く、理解できないところが多かった。しかし、言わんとしていることは何となく分かった

       感じがした。