日本が生き抜くために必要なこと!   外交評論家  岡本行夫様

 1.イスラム国問題

    ・イスラム教徒は99%の人は常識的な人であり、0%の人に過激な人がいる状況である。イスラム教は生と死の

     境界が曖昧なところがあり、最後に天国にけるかどうかが決まることになっている。コーランは後世の人が書いた

     ものではなく、神様が直接書いたことになっている。そのため、一人称で強く書いているので、強い吸引力がある。

     この言葉を毎日数回読んでいるので、強く感化を受ける筈である。アラブの世界では神様はアラビア語を使って

     いることになっている。そのため、異教徒を殺すことで、天国に行けると思っている人がいる。そのため、日本も

     ターゲットになることになる。あそこの国に行けば捕まる。捕虜となった大森さんが何故、行ったか疑問に思う。

    ・このようなことを考えると、日本は恨まれないようにするのではなく、対抗する国と一緒に対抗する必要がある。

     今回のようなことが起こるのは、日本人がテロに屈し易い国民だと思われていることを考えておく必要がある。

    ・このような状況になったのには、アメリカがイラクから撤退してしまったことに責任がある。オバマ大統領は前任者

     のやったことをすべて否定して撤退したが、一度行ってしまったら、その国の体裁の形を作ってから撤退するべき

     だった。オバマ大統領は撤退した後のことを考えるべきだった。イスラム国の討伐を進めないと、そこから次々と

     テロリストが出てくる。イスラム国は原油の低迷で密売が上手くいかなくなったので、テロで稼ごうとしている。


 2.原油の低迷

    ・原油がこのまま低迷を続けると中近東の国々も困ってくる。ロシアもこのまま原油が低迷するとおかしくなり、何が

     起こるか分からない。先日、亡くなったサウジの王様は原油が高くなり過ぎてもいけないと言っていた。当時では

     25ドルが妥当と言っていた。今の状況でもサウジアラビアでは35ドル位でやっていけるのではないかと思う。

    ・何故原油が安くなっているかということであるが、シェールオイルを潰すためという話も出ているが、シェールオイル

     がなくなる訳ではないので、高くなると、また復活してくる。天然ガスは掘っても、油田に当たる場合と当たらないが

     あり、一本の油田が100億ドル位かかっている。しかし、シェールオイルは面的に拡がっているので、一本当たり

     1億円位にしかかからない状況である。このようなことを考えるとシェールオイルをターゲットにするとは思えない。 

    ・今の原油安は2年位続くと思う。ロシア、ネジエラがどうなるかだが、今のところでは分からない。

     米国の経済は好調だと思う。世界の望みは米国経済の底堅さだと思う。米国経済は国民の消費に依存している

     ので、家計収支のバランスが問題である。理想は収入に対して借金が109の時であり、リーマンショックの時

     10に対し13.5位だった。今は10に対して10.5位であり、大分理想に近づいてきている

     米国は外交政策がなく、国内の好調を夢見ている状況である。

    ・今年の世界情勢が心配である。ロシア、中国が現状を打破しようとしている。EUはギリシャ問題がある。ギリシャが

     EUから脱退すると、スペインなどが揺らいでくる。そうなると、イギリスもEUから脱退するかという意見が出てくる。

     イギリスもスコットランド問題があり、先日の住民投票は良かったが、イギリスがEUから脱退するという話が出てくる

     と、EUに残りたいスコットランドが揉める恐れがある。


 3.アジア

    ・アジアはどうかというと、先日中国の習近平さんが安倍首相に会った時の困った顔が気になる。会談の時は違った

     顔になったか、会議に出席した人に聞いたが、同じように硬い表情だったとのことである。先日の会談が日中の関係

     改善にはならなかったと思うが、底入れはしたと思う。今年は抗日闘争の70年記念の年になる。何故、習近平さんが

     南京事件の問題を持ち出しているのか考えると、日本を使って中国の価値を高めようとしていると思う。アフリカの国  

     には日本と中国が争ったことも知らない国もあるが、アフリカの国々が集まったところでも話をしている。また、中国

     はアメリカに太平洋を分けようと言っている。そのため、尖閣諸島の解決の見込みはないと思う。尖閣諸島は中国

     太平洋進出する場合の出口の真ん中にあたるので、尖閣諸島の位置づけが変わってきていると思う。

    ・このままいくのかというと、次の世代になると多少変わるかも知れない。中国は10年毎に指導部が全面的に変わる。

     2020年に次に世代になるが、2017年には200人以上いる指導部が大幅に変わるので、変化が出てくると思う。

    ・韓国の朴さんは日本が嫌いだ。母親を殺した文世光を育てた日本を嫌うことは考えられる。今、中国と韓国は大々的

     に反日キャンペーンを打っている。中国は大国の資格があるかというと、価値の面だけでは大国らしくない。そこで、 

     目をつけたのが日本で、安倍首相が未だに靖国神社に参拝しているので、野蛮だと言っている。その日本と戦った

     のが、米国と中国であると言って、世界に日本を貶めている。そのため、日本は世界の世論に話をしている。

     今、アメリカにおいて、日本の信頼が高くなっている。以前は信頼度は非常に高かったが、民主党政権になり、アジア

     に軸を置くと言って、急速に米国の信頼度は下がったが、今では70%と上がっている。日本の経済が強くなること

     大事である。その意味でも、アベノミックが大事になっている。

    ・国際化も大事であるが、国際化というと、英語を話すことではなく、優しくすることである。人に優しくすることは開放的

     になることである。そうすることで、多様化することになり、外に目を向けるようになる。努力することが大事である。

 「感想」三井住友銀行が主催する講演に行って、岡本さんのお話を聞いた。イスラム国の問題や原油の低迷、中国との関係など
      非常に幅広く最近の動きの話が聞けた。興味のある話題を聞けて良かったと思う。