東京都における未来づくりと都市課題の解決         東京都  舛添知事


 ・最近は
2020年のオリンピックに向けての新国立競技場やエンブレムの問題が出ているが、東京では色々なことを実施しているので、

  明るい話をしたい。

 ・東京防災という本を91日から700万世帯に配布していきたいと考えている。昔、スイスに住んでいた時、各家庭に今回の本と同じ
  
  大きさの民間防衛と
いう本があった。欧州は各国が陸続きなので何が起るか分からない状況なので、スイスの家庭には、防衛に

  関してすべてのことをまとめた本があった。
東京防災は防災についてこと細かく書いているので、活用して欲しい。東京には各国の

  人が住んでいるので、現在、外国語のものを順次作っている。
外国人がオリンピックやパラリンピックに行こうと思っても、東京の

  防災がしっかりしていないと駄目だと思う。スイスにいた時、スイスの食べ物は美味しくなかった。
スイスでは新しく出来た農産物は

  備蓄にして、一年経ったら食べるので、美味しくなかったのである。
備蓄はしっかりしないと生き残れないのである。

 ・日本の道路は居眠り防止のため、道路を適当に曲げて作っているが、外国は真っすぐな道路を作っている。外国では、非常時には

  中央分離帯を動かして、
滑走路にするためである。日本の道路は、電線が邪魔していて、ヘリコプターも降りられない。電線を7

  かけて地下に移すことにした。町づくりをやる時、
首都災害に備えて、防災を考えていかないといけない。

 ・関東大震災や東日本大災害の教訓では、会社員は家に帰らないで下れということである。会社から家に帰ると、道路にはたくさんの

  人が一斉に動き出す
ので、道路が混雑して使えなくなる。72時間持ちこたえると生き残れるので、会社に残って生き延びるのである。

  現在そのための備蓄を進めている。親が
会社にいるので、家庭は家族のための備蓄をすれば良いことになる。水を買う時、3買い

  たいのなら、
4本買って、1本を備蓄する。これが日常備蓄である。
会社にいる親が家族と連絡するため、通信が重要になる。その

  ため、通信を強化していく考えである。災害時に外にいて怪我をした時に救急車で対応する。

 ・知事が登庁する時、途中の3ケ所で通信が出来ないところがあるので、通信会社に連絡するようにしている。外国の人が日本に来て

  不満なのはWifiが
少ないことである。観光に力を入れたいと思っている。東京の観光産業は育っていない。パリに比べると、美術館

  が足りない。ホテルも足りない。国際会議
も少ないので、増やしていきたい。ラグビーのファンは富裕層が多く、観光船でくる。ラグビー

  の試合は新国立競技場が使えないので、味の素スタジアムを
使うことになる。決勝戦は6万人以上が入れないと駄目なので、横浜の

  日産スタジアムを使うことになる。

 ・外国人は畳のところに泊まることを望んでいるので、民間の空き家を使いたいと考えている。旅館業者から反対が出ている。しかし、

  規制緩和すれば、駄目
になるのではなく、新しいビジネスが伸びると考えて欲しい。両親の豪邸が空いている場合が多いので、観光

  や育児に使えるようにすべきである。
リピーターが来ないと駄目なだと思う。東京には観光資源は一杯あるので、有効に使いたい。

 ・都市外交を進めることは大事であると思う。ソウルの道路で大きな陥没が起きたが、日本では道路の陥没は起こらない。道路の陥没

  対策を支援して
いる。中国に行った時は非難されたが、中国との交流が広がったと考えている。

 ・東京の世界都市ランキングは4位だが、東京に何が足りないかというと英語である。これを増やしていかないといけないと思っている。

  オリンピックに
向けて、ボランティアの人を育てたい。それでも、足りない場合はスマホの翻訳機能等を利用すれば良いと考えている。

  国際会議はシンガポールに
移っていった。それを取り戻したい。そのため、大手町から日本橋までを金融センターにしていきたいと

  考えている。金融のプロが不足しているので、
首都大学で金融のプロを育てたいと思っている。海外の金融機関が東京に来ないのは

  英語の問題もあるが、儲かると来るようになると考えている。
日本では20年間のブランクがあるので、人材が枯渇している状況である。

   もう一つはライフサイエンスであり、薬関係の企業が日本橋に集まっている。
官と民の連携が重要であるのは、都市開発のプランナー

  がいるかどうかである。官民が協力してやらないと直下型災害がきた時は生きられない。

 ・水素社会を目指したい。水素自動車は価格が700万円であるが、国が200万円、都が100万円を補助するので、普通の乗用車と同じ

  価格になっている。
水素スタンドが少ないので、15分走れば、水素スタンドがあるように増やしていきたい。バスは水素にすると、音が

  小さいので、話の邪魔にならない。
災害時には、乗用車一台あれば、一家庭の電力に対応できる。バス一台ならば、学校一校分に
 
  対応できる。オリンピックに向けて
選手村は6000
が住むところを作るので、環境に良い町にしていきたい。

 ・世界都市のランキングでは空港から都市までの時間が尺度になっているが、成田から羽田になり、東京と空港が近くなった。また、

  池袋、新宿、渋谷の
ルートを作っているので、所要時間が半分近くに短縮される。また、外環道の完成により、東京を通過する車が

  半分になる。高速道路の料金
も下げる。
渋滞が起これば料金が安くなることも考えている。

 ・オリンピックのためにやるのではない。東京は常に変わっている。渋谷が大きく変わっており、渋谷に川が復活する。品川と田町も

  大きく変わっていく。
丸の内も変わる。大きなビルを2つ建て、非常に大きなバスターミナルを作り、各地域に便利に行けるようにする。

  都市づくりは
30年〜40年で変えて
いかないといけないと思っている。常に変わっている街にしたいと思っている。渋谷の次は、新宿、

  その後は・・・
 英国のウイリアム王子が水上バスに乗ったので、水上交通への関心が高まっている。川の都として東京を売り込んで

  い
きたいと考えている。
官民協力できることからやっているので、協力して欲しい。

 「感想」 舛添知事のお話を聞いたのは初めてだったので、大変興味深かった。40分と短い時間に色々なお話をされたので、

       戦略的な考えは今一つ理解出来なかった。特に、印象に残ったのは、首都災害に対して、被災者が生き延びるため

       の取り組みに力を入れていることが分かった。