地方の自治と東京の再生 慶応大学 片山教授
・東京は一人ではやっていけない。自立できない。大都市は、人、食糧、エネルギー、水などを地方によって支えられている。アメリカが
移民によって支えられていることに似ている。地方あっての東京であることを認識するべきである。地方も東京によって支えられている
面がある。東京と地方の相身互いの性質が大きく変わっている。地方が東京に人を出せなくなっているだけでなく、地方自体が支えられ
なくなっている。一強多弱は良くない。安倍政権の狙いは正しいと思う。今までも過疎化対策や離島対策など色々とやってきたが、その
結果が今の通リで、上手くいっていない。
・異次元の取り組みをやると言っているが、何が異次元なのか良く分からない。地方の計画を早く持って来いと言っている。これまでと違う
のは早く持って来いと言うことである。早く持ってきたところを優先するところが違っている。地方は二重に浮き足立っている。消滅自治体
と名指しされている。その上に、計画を早く持って来いと言われている。短期間で良い知恵が出る訳がない。至るところでレッテルの張り
替え作業をやっている。監査法人までも入って、コンサル業界が相談窓口を作っているので相談している。丸投げになっている。自分で
考えるように仕向けていることが大事である。考える力が低下している。
・最近の地方の取り組みで半額旅行券などは心配している。その土地に旅行してくれると半額は補助するので、半額で旅行が出来るように
している。お客様は半額で旅行できると思っている。一時はお客様は増えると思うが、長期的には悪影響が出ると思う。
・大阪都構想には私は反対だった。大阪市を解体する理由が分からない。大阪が地盤沈下していることが、大阪市を解体する理由には
ならない。二重行政の無駄は賢明な人がやれば問題を起こすことにはならない。政治を行う人の問題である。大阪市の話に東京や横浜
はもっと敏感になって欲しいと思う。大阪が何故東京に憧れるのか考える必要がある。横浜市は同じ問題を持っている。もっときめ細かな
教育行政を行う必要がある。横浜市は学校が多く、大阪市よりひどい状況になっている。大都市は巨大過ぎて上手くいっていない。
・東京は何故市がないのか。東京市があったらどうかを考えるべきである。地下鉄は市が運営するべきである。消防や上下水道も市が運営
するべきなのに、東京市がないので東京都が運営している。23区のことをやる人がいない。道州制になったら、東京はどうなるのか疑問で
ある。東京市がなくなったのは、昭和18年である。それまで、東京市長は選挙で選ばれ、都知事は国の任命であった。国の指導を強化する
目的で東京市を廃止し東京都にした。地方自治について考えると都議会が心配である。すべて原稿を読むので、ほとんど学芸会である。
「感想」今日の片山さんのお話は切り口は面白いが、学者としての考えと、知事や大臣を経験した時の意識が混乱している感じがした。
石破さんの後でお話を聞いたためか、やや厳しさに欠ける、評論家的なところがあるように聞こえた。もう少し聞きたい感じがする。