東芝グループの力を結集し、お客様とともに未来をつくる 東芝 錦織常務
1.ICTへの期待
・昨年10月に東芝ではクラウドに力を入れることになった。そのため、東芝クラウドソリューション社を設立した。
・これまで結びつきのなかった人、モノ、データがネットワークを介して相互につながるようになった。
世界では情報が爆発しており、2013年に4.4ZBであるが、2020年には44ZBになる見込みであり、市場は大きくなる
見込みである。しかし、その情報の内、37.4ZBのデータがリアルタイムデータであり、捨てられている状況である。
・全世界のデータセンタが出すCO2は2007年には80メガトンであったが、2020年には340メガトンになり、問題となる。
世界の課題とICTへの期待は、デジタル化、IoT(Internet of Things)であり、リアルの世界をバーチャルの世界から
最適制御することである。そのモデル化には、リアルな世界での経験と知恵を生かしたいと考えている。
・ビックデータではジレンマがある。価値が分からない、ROIが語れない、投資が出来ないため、進まないことである。
ビックデータでは、解決策が見つかるかどうか分からない、見つかっても価値が分からない状況である。
2.東芝グループの結集
・東芝グループでは、モノからモノ+こと(サービスとして実現)に展開していくために、グループの力を結集していく
ことにした。XaaS(X as a Service)を目指しており、30以上のスマートコミュニティプロジェクトを実施している。
・東芝のクラウドソリューション事業部門は社会インフラ事業部門と機器デバイス事業部門と連携して社会インフラ
のプラットフォームを作り上げることにした。オールフラッシュデータセンタの検討をしており、180ラック、73PB規模
のセンタを作っており、電力を40%削減し、スペースは半分になっており、省資源、省スペ−スを実現している。
・ビックデータをリアルタイムに処理するシステムを作り上げた。データの収集→検知→アクション へとつなげている。
東芝半導体工場(四日市)では、1日16億件のビックデータを集めて処理することで、生産能力の最大化とコストの
最小化を実現している。また、日本の精緻な鉄道システムをクラウド化し、世界の鉄道会社に提供する予定である。
日本のソフトパワーを形にして海外に提供していく考えであり、既に、国内では3社から受注している。
3.東芝スマートコミュニティプロジェクト
・東芝のスマートコミュニティプロジェクトは、東芝グループ20万人の社員の知恵を結集して取り組んでおり、世界で
36プロジェクトを行っている。例えば、横浜スマートシティプロジェクト(YGCP)では、横浜市の低炭素社会を目指し、
エネルギー管理の最適化やインフラの構築を進めている。東芝の川崎工場の跡に川崎スマートコミュニティセンタ
を開設した。新センターは、グループ会社間を横断した技術の融合、価値の創造を目指し、グループ会社を含む
社会インフラ部門やクラウドソリューション部門など、スマートコミュニティ事業に関連する部門の従業員約7800名
が順次集結して、実証実験を行っている。省エネと快適性を実現すると共に、CO2削減では54%を実現している。
・東芝ではグループが結集して、スマートコミュニティに対するグローバルスマート基盤を作っている。
「感想」 東芝の経営者の話を聞くのは初めてだったとで面白かった。内容的には東芝の体質的なものを強く感じた。
東芝もクラウドを中心に社会インフラの実現に取り組み、プラットフォームを作っていることが分かった。