基調講演:マイクロソフト社の取り組み   マイクロソフト 樋口社長

 1.新CEOサティア・ナデラの考え方

    ・新しいCEOはマイクロソフトでは3人目であり、会社を立ち上げた前の二人とは違って途中から入社している。

     サティア・ナデラはインドからの移民であり、若い頃はインドで生活していた。2月にCEOになり、会社のカルチャ

     を変えていく考えであり、モバイルファースト・クラウドファーストの考えで取り組んでいる。

    ・マイクロソフトの文化変革は、@チャレンジ精神、Aお客様第一主義、B学ぶ姿勢・チームワーク、C現実を

     踏まえた戦略、D光る会社、である。

    ・時代は常に変化しているので、常に学ぶ姿勢が重要であり、お客様のためなら、マイクロソフト社を中心とする   

     Windowsのみから脱却して、全方位にアプローチをして、すべてのメディアが同じように使えるようにする。

    ・マイクロソフトのコアとしては、企業向けとコンシューマ向け製品を両立させる考えであり、デジタルワークスと

     デジタルライフを組み合わせたソリューションを提供することにした。生産性の向上を徹底的に追及し、人を

     中心とした製品とサービスを提供する。特に、使い易い製品としていくこととする。


 2.多種多様なタブレットの登場と市場拡大

    ・前のオリンピックから50年経ち、社会生活は大きく変わった。その間、ITが生産性に寄与してきた。クライアント

     パソコンによる業務改革やWordExcellPowerPointによるOA化、Windowsが活躍している。

    ・タブレットも2012年には、320万台を出荷しており、法人市場でのタブレット市場は加速している。色々なメーカ

     が多種多様なタブレットを出しており、法人向けWindowsタブレットは幅広く選択が出来るようになっている。

    ・例えば、ローソンは1500台を導入して、スーパーバイザの生産性を向上している。中外製薬は、iPadパソコン、

     WiFiルーターを統合している。三井住友銀行では、20インチの4Kタブレットを3700台導入してペーパーレス化を

     実現している。TBSでは、4Kタブレットでフリックを電子化しており、小田急は外人向け情報提供を行っている。


 3.生産性の向上

    ・Office3655年連続3桁の成長をしており、売上も1.5倍になった。Power BI for Office365は、データ分析で仮説

     を立てた本人が分析できるようにして、最大の効果を発揮するようにした。Dynamic CRMでは営業情報と顧客

     情報を一体化することにより、営業力のアップに貢献するようにした。

    ・伊藤忠では、働き方の変革を支える次世代ICTの基盤に採用して頂いている。

    ・マイクロソフトではテレワークに積極的に取り組んでいる。テレワークの定義は、ICTを活用して、場所と時間に

     捉われない柔軟な働き方であるとしており、26社をテレワーク推奨会社として実施している。


 4.クラウドプラットフォーム

    ・Windows Server 2003の終了に伴い、色々な形態の移行方法を準備している。国内市場はクラウドファーストに

     なっている。7割の企業がクラウドを活用している。

    ・マイクロソフトは、クラウドとオンプレミスのハイブリットやクラウド・クラウドのハイブリットも考えている。ビジネス

     ITに対し、ハイパースケールなクラウドを求めている。マイクロソフトは、いかなる国や政府機関であっても、

     データは渡さないということをコミットメントする。

    ・マイクロソフトはクラウドに対して、17AZUREセンターを準備しており、年間1700億円の投資している。

     利用例としては、第一生命がプライベイトクラウドにより、10%のコストダウンを実現している。

     楽天はマイクロソフトと競合する部分はあるが、連携して取り組んでおり、オムニチャネル連携を実現している。

     更に、マイクロソフトはJAVAPHPLinuxなど様々なテクノロジーをサポートしている。

    ・IoTInternet of things)に向けて、 翻訳通信が行えるAZURE Intellignet Serviceや動画のインデックス検索を行う

     Azure  Media Serviceなどを提供する予定である。

    ・マイクロソフトは、カスタマーファースストの下に、モバイルファースト、クラウドファーストに取り組む考えである。

 「感想」樋口社長は力強く2時間説明していた。、色々な場面でデモを積極的に利用して、分かり易く説明された。
      特に感じた印象は、マイクロソフトは企業への取り組みに力を入れてきていることと、他社の技術も積極的に支援し
      すべてのデバイスが同じように利用できるように取り組んでいることである。また、マイクロソフトのクラウドである
      Office365については、これまでの日本のパソコンのほとんどがOfficeをバンドルした製品になってきた影響で、個人に
      提供するサービス形態に苦労している感じがした。