私はかく闘った〜結果を出し続けるための思考! 九重親方 


 1.九重部屋の力士育成

    ・九重部屋ではLineつながりで力士を育成している。取り組みに対する意見を送り、弟子から考えを聞いている。

     弟子の育成では、アドバイスをして、理解させて、考えさせ、実行させるところまで持って行くことが大事である。

    ・昔と違って、今の弟子は動かして、頑張るところまでいくのは大変だった。九重親方がやってきたことをやらせた

     が上手くいかなかった。その人に合った方法があり、個人個人が違うことを本人に認識させる必要がある。

     弟子とは昔から交換日記をやっており、お互いが見え始めたと思う。

    ・九重親方の頃とは大きく違っているところは、考えが甘くなっていることである。今の弟子は頑張らないで成果

     を上げたいと考えている。部屋では毎日500回四股を踏むことになっているが、誤魔化す弟子がいる。

     弟子とは午前中しか話していないが、今の若い人たちは躾が出来ていない。


 2.九重部屋の経営

    ・部屋には力士だけでなく、呼出しなど色々な人がいるので、自分の役目が何か分からせていくことが大事である。

     力士にはやる気にさせる環境を作ることが大事である。競争させることで伸びていくので大事なことである。

     九重部屋には今場所には三役力士が2人になったが、お互いが競争してきたことがこのような結果が出たと思う。

     本人達が気付いて頑張ることが非常に大事なことであり、そのため、本人が気づくようにアドバイスしている。

    ・日本の力士より外人力士の方が頑張っている。外人力士は生活環境も違う日本に来ているのだから、考え方も
     変わってくる。
相撲の中の生活で、やる気を持って頑張ることで成長している。負けたくないと考え、向上していく
     ためには、
稽古しかない。それによって自信を持って土俵に上がれるようになる。九重親方は目指す人のところに
     出稽古
に行って、何度も何度も稽古をつけて貰い、力をつけて、相手に恐怖感を植え付けるようにしてきた。


 3.どうしたら強くなれるか

    ・自分で色々な取り組みをやってみて、1つに絞ってやっていく努力が大事である。九重親方が現役時代には、

     立会いでまわしを取りにいくという1つの動作をしている時、その中には、胸をつけるとか相手の手を押さえる

     とかなど5つ位の動作をしている。その間に相手の弱いところを瞬時に見つけて、そこを攻めているのである。
     今の力士は一つのことを目指すとそのことしか考えていない。それでは、相手を圧倒していくことは出来ない。

     力士は基礎体力を作り、それに合わせた身体にしていくが、今の力士は身体が大きくなり過ぎて、俊敏い色々
     なことを行うことが出来なくなっている。

    ・白鵬は横綱になってこれまで休場していない。これは、基礎体力をしっかりと作っていることを示している。

     力士は身体を動かして、基礎体力をつけていくことが基本であり、その基礎体力を維持することが大事である。

    ・入門すると、自分のことはすべて自分でする。更に、先輩のこともする。更に、食事も作る。最初は大変だったが、

     やっていけば出来るようになる。相撲の世界には色々なルールがあり、着るものも、履くものもすべて違っている。

     少しでも上にいきたいと思った。自分に負けるといけないと思った。自分い甘えが出ると駄目になる。

     勝って、良い思いをすると、更にもっといい思いをしたいと思って頑張った。


「感想」九重親方がNHKのアナウンサーのインタビューを受けるという形態で話が進められた。
     弟子は15人くらいいて、5人は十両以上で、三役も2人いるという順調に育成している部屋とのことであった。
     最近の若い人は親に甘やかされているので、育成が難しいとお話されていた。力士は基礎体力が基本だが、
     最近の力士は身体が大きくなり過ぎていて、細かな動きが出来なくなっていると言っていた。
     九重親方は今も相撲業界では中心的に活躍しているので、しっかりしている感じがした。