日本経済・世界経済のゆくえ、私たちのこれから
                              26.2.11   政治学者 舛添要一

 1.日本の経済

    ・アベノミックスと言われているが、日本経済は確かに明るくなっている。しかし、貿易収支は非常に厳しくなっている。

     円安になり、自動車などの輸出は増えている。しかし、輸入品や小麦粉が値上げすることになり、物価が上がっている。

     輸出自体は持ち直しているが、日本の貿易収支は赤字が増えている。日本には民間、政府、個人のことを考える必要

     がある。民間は良くなっている。政府も政策が伸びている。特に、復興も含めて公共投資が大幅に増えている。

    ・戦後、私達は非常に惨めだった。現在の天皇が皇太子の時のご成婚やオリンピックで急速に回復してきた。オリンピック

     は世の中を明るくし、公共投資も大幅に増える。今の東京を見ていると道路事情は良くない。高速道路の老朽化している。

     そのため、ここ6年くらいは建設関係は成長している。企業自体も景気が良いと言っている。

    ・後は、私たち、個人をどうするかである。個人のお金の使い方が重要なポイントである。日本経済のGDP500兆円の内、

     個人の消費300兆円がどうなるかが大きな影響を与える。最大のポイントは個人が良いものを買おうとか、美味しいもの

     食べようとなることが必要である。アベノミックスの課題は個人の消費の問題である。

    ・消費税が4月から5%から8%に上がる。収入が上がらないと、税金が上がった分だけ消費が減ることになる。そのため、

     3%以上の賃上げをして欲しいと思っている。しかし、会社は儲かった時に、経営者がどこから使うかを考えると、最初に

     配当や内部保留に回して、その後、賃上げをしてきた。過去、不景気で企業が金がいる時に、銀行は金を貸さなかった。

     そのため、企業は内部留保に金を回してきた。今回は東京オリンピックが見えてきて、先は明るいので、企業は内部保留

     にお金を回さないで、設備投資や賃上げをしていくと、経済が上手く回って行くようになると思う。ベースアップは長期的

     に影響するので、経営者は嫌がると思うが、ボーナスは出せると思う。会社の経営者の賃上げが鍵となる。   

 
 2
.雇用の問題と世界経済

    ・経済が良くなると、仕事が多くなって、雇用を増えるようにしているのは良い状況だと思う。しかし、非正規社員が1/3

     なってきたのは問題である。企業も場当たり的な取り組みを止めると、安定的に成長していくと考えている、

    ・アメリカの景気は回復している。欧州は良くなかったが、ドイツ人のお金を使って対応すると思う。中国はGDPが世界

     第2位になっていて、規模は大きくなっている。成長率が8%程度は必要と思うが、7%になっていても心配する必要はない

     と思っている。中東も誰がリーダーの国になるかということで動いている。何が起こるか分からない状況である。

    ・全体に明るい兆しが出ている。個人もトレンドを大きく掴み、賢い消費者になる必要がある。誰かの支出は誰かの収入

     になるのだから、お金を上手に回していく必要があると考えている。


  「感想」 舛添さんが東京都知事に当選したばかりなので、録画での講演となった。
       今の状況を全体的にまとめて説明している感じがしたが、道路の改善に取り組むと言うことが印象的だった。
       東京ゴールドフェスティバルは色々な取り組みで金の取引を説明していて、面白かった。
       金の取引は、株式取引の補助的な位置づけで、有事に備えてコツコツと買い増すことが良いと言うことが分かった。