情報革命の舞台は世界へ   ソフトバンク  孫社長

 1.日本の復活のためには

    ・日本は良い国だが、日本人が自信をなくしている感じがする。アベノミックスで少しは復活しそうな感じである。

     しかし、GDPは世界で3位になり、近々、インドにも抜かれそうなである。日本の人口が減少しているからである。

    ・日本はこのまま沈没するのか!日本 は必ず復活すると思う。

     その方程式は、(生産性を上げる)×(生産人口を増やす) ことである。


 2.生産性向上の鍵は情報武装にある

    ・情報のビックバーンは加速度的に進化させている。2018年に1チップの情報量は人間の脳の300億を超える。

     その進化を我々の味方にして活用することである。

    ・チップにはメモリがある。メモリ容量も通信速度も上がっている。ソフトバンクは世界で初めて東京の町の中で

     1Gbを達成した。これから30年間これまでと同じように進化する。CPUとメモリは100万倍に、通信速度は300万倍  

     になり、われわれの感覚では、CPUメモリも通信速度の無限大になる。これらすべてがクラウドに格納される。

    ・ソフトバンクはアップル社より先に全社員にiPhoneiPadを配布した。これらはすべて、クラウドに繋がっている。

     スマートフォンを全社員に配布し、クラウドに繋ぐことが大切で、他の会社より先にやることが重要である。

     信長が鉄砲を導入し活用したことで、天下を制したように、その時代の新しい武器を最大限に活用した人がその 

     時代を制することになる。

    ・世の中が不況と言われていた2009年〜2014年の5年間に、ソフトバンクは一人当りの生産性2以上にした。

     一人当りの販売数が2倍以上になった。

     スマホもタブレットもクラウドも使っていない企業が7割以上ある。VMwareは全世界で50万社が採用している。

     VMクラウドを活用すると、データの一元化が行え、管理負荷が小さくなる。インフラの管理から解放される。

     仮想空間の中でクラウドを使い、100%武装することを提案する。ありとあらゆる家電などが、センサや通信で

     ビックデータを集めてくる時代がやってくる。今から5年くらいで、500億個のものがインターネットにつながる。

     そのために、鍵はビックデータであると考えている。

    ・ソフトバンクではビックデータを活用して、ピンポイントまで調べて接続率を上げた。その結果、一番になった。

     機種別、時間別、場所別にピンポイントまで沢山のデータ集めて、分析し、対策を打った。

    ・ビックデータの世界はどうなるのか。ソフトバンクは全世界の産業用機械の30%を持っているGEと提携した

     リアルタイムにデータを集めてお客様に提案していくことにした。お客様の来店を促したい。それが売上を増やす
     ことに
なる。

    ・最先端のテクノロジーが生産性を高める。テクノロジーを作るのではなく、一番早く使いこなすことが大事である。

     最先端のテクノロジーが何かはみんな分かっている。使うことが大切である。


 3.生産人口の
増加はロボットである

    ・これからの話は9割の人がホラと思うかもしれない。1%の人が考えてやれば良い話である。少子高齢化の中で、

     労働人口を増やすことは出来るかということであるが、テクノロジーの進化でこの問題も解決できると思う。 

    ・現在の労働人口は、中国が7千万人で、米国とインドが1千万人である。日本は1千万人を切り、700万人である。

     給与は中国が7万円、米国は33万円、インドは3万円で、日本は25万円である。

    ・日本を復活させるという思いが大切だ。解決策はロボットである。今までの単純生産型ロボットは、ファナックや

     安川などの企業があり、日本が世界一である。汎用型の安くて高性能なロボットを急速に普及させることである。

     インターネットで、知恵や知識ロボット与えることで、日本も復活することが出来る。

    ・ソフトバンクではPepperを来年2月に198000円で売り出す予定である。パソコンと同じように各家庭がロボット

     買うようになる9月にロボットアプリのカンファレンスを開催する予定である。色々な人がロボットのアプリを開発

     して普及させるようにしたいと考えている。色々なアプリが出来るとロボットが益々有効なものになる。

     ソフトバンクが考えるロボットPepperは世界で初めて人間の感情を認識することである。人々に喜んでもらえる

     ように、Pepper君がするようになる。毎日進化していく。世の中にどんどん出て、Pepper君が進化していくと思う。

     ソフトバンクのお店にPepper君を入れたら、お客様が増えた。これからすべてのシーンでロボットが出てくるように

     なると信じる。日本に3000万台のロボットが増えたらどうか。ロボットは休む必要がないので人間の3倍以上働く。

     3000万台×3人分=9000万人分の働きをする。日本の生産人口の1000万人と合わせると1億人の労働人口が

     出来たことになる。日本の労働人口の給与は高いと言われているが、汎用ロボットを100万円で購入して、5年で

     償却すると、月1.7万円になる。この2つのことが解決できると労働人口の問題は解決できる。

     単純労働をロボットに置き換えることにより、労働問題は解決できる訳である。

    ・デジタルネイティブを考えると、現在の人は生まれた時からパソコンがあり、ITを使う人になっている。

     これからは生まれた時からロボットがいる時代が来ると思う。

    ・グーグルが日本のロボット企業を積極的に買収しているが、次から次へロボット企業が生まれるようにすれば

     良いと思う。そのようにすれば、日本は復活すると考える。


  「感想」孫さんはお話が上手だと感心した。日本の復活には生産性向上と生産人口の増加という課題を
       ソフトバンクの営業につなげて、上手く説明していた。今後、汎用型ロボットが重要と考えている
       ことは、これからのIT産業の一つの方向を示している感じがした。