Beyond 2020  日本ユニシス 保科CTO

 1.パラダイムシフトの検証

    ・IT化とは当初は生産性を上げることだったが、2010年前後には経営とITの同期化の動きが始まった。

    ・CIOの役割は、イノベーションの成果責任を取ることになり、予算を委ねられて、ROIを問われることになる。

     そのため、最近の企業では、CEO-CFO-CIOのトライアングルが重要になってきた。


 2.
2020年とその先を描こう

    ・オリンピックが開催される2020年の日本を考えると、圏央道、外環道、内環道が完成し、首都圏の道路事情が

     大きく変化すると思われる。また、鉄道も、北陸新幹線が開通し、リニア中央新幹線も開通して、交通事情が

     どんどん進んでいくと考えられる。

    ・一方、東京に人が集まる中で、消滅可能性都市が日本の各地方で増加してくる状況になってくると言われている。

    ・東京でオリンピックが開催される時には、沢山の外国人が日本に来ることが予想されるため、最近はグローバル

     B2Cサービスが日本に進出してきている。 人が動く関係では配車サービスのUBERが、お金を支払う関係では

     Paypalが、人が泊まる関係では宿泊仲介のairbnbが、食べる関係ではhelp?などが既に進出してきている。

     日本企業も今から2020年を目指して準備することがポイントになる。

    ・バックキャストというアプローチがあり、2020年がどのようになっているか、イメージを持つこと、そこから考えて今

     どうする必要があるかを考えることが必要になっている。


 3.未来に向けて今やるべきこと

    ・パラダイムシフトを考えると10年毎に、世界は大きく変化していることが分かる。

     例えば、サーバは企業のみが使っていて、IBMやユニシスなどが市場を席巻していたが、マイクロソフトがパソコン

     を個人に売り込むことで新しい市場を抱え込んでいる。世界の企業はルールを変えて進出してくる。

     アメリカの主要企業は2010年に苦しんでいたが、IBMはデータベースに、マイクロソフトはでデバイスとサービスに、 

     シスコも業務形態を変えてきている。マイクロソフトはソフトウェアを事業の中止に入れていない。

    ・デバイスも大きく変化しつつあり、Googleグラス,Google Car,3Dプリンタなどが出てきている。Google Carでは自動

     運転を前提にしており、これまでの人が運転するという自動車業界の常識を根底から変えつつある。

    ・ITを前提とした生活の再設計が必要となっている。すべてのものがつながるという考えで見直す必要がある。

     コンシューマ・イノベーションが進展しており、個人レベルのエコシステムを取り込む必要があり、エコシステムが

     進化している。生産者ではなく、困っている消費者がイノベーションを起こしている。

    ・佐渡ひまわりネットでは、電子化されていない医療情報も含めて地域の医療情報を標準化することで、情報共有し、

     利便性の向上と経済化を実現している。

    ・最終形態はコンシューマまで巻き込んだクラウド化である。リアルタイム、常時接続、マルチデバイスにより、チーム

     の誰でもがどこでも使えることになる。サーバ統合や仮想化などITサイドの話ではない。

     業務そのもののクラウド化が進んだら、ITのクラウドを使うことになる。そのため、いま企業が取り組むのは、自社の

     業務のクラウド化である。

    ・今まさにファーストムーバーが現れ、既存企業のトランスファーマーが変わりつつあるということである。

 「感想」 ITJapanの講演を聞きに行った。非常に自信を持って説明されていて、面白かった。
      ユニシスの取り組みにはついてはほとんど説明されなかった。