人が生きる、豊かに生きるための社会ソリューション NEC 遠藤社長
1.これからの世界経済
・現在の人口は70億人であるが、2050年には90億人になり、都市に住む人口は50%から70%になる見込みである。
これに伴い、エネルギーは1.8倍になり、CO2は1.5倍、食料は1.9倍、水は1.6倍必要になると考えられている。
現在の2倍の社会的な要求を支える公平で効率的な社会インフラを実現する必要がある。
・NECにはICTアセットがある。ICTアセットは社会インフラに貢献していくと考えている。
NECは交通、エネルギー、植物工場、医療など幅広い分野の社会ソリューションがあり数多くの実績がある。
2.データサイエンスの価値
・データそのものの価値としては、データが数多く集まることで見えてくる価値がある。また、過去のデータから見えて
くる価値もある。データの裏側に隠れている価値がある。
・データを大量に集めることでImplicit情報が見えてくる。例えば、自動車のワイパーの動きの情報、個々では意味が
ないが、大量に自動車のワイパーの動きの情報を集めると、どこに雨が降っているか、どの程度降っているかが
分かってくる。大量のデータを集めて、分析することにより、Big Data上では有効な価値になってくる。
・蓄積された大量のデータから生まれる価値がある。ある部分の集合から法則を見つけて先を予測することもある。
匠の技も、これまでに蓄積された沢山の経験から生み出されたものである。
棋士や名医の匠の技に帰納的アプローチしている。過去の経験等をビックデータが支えていく。
3.ICTの進化
・モバイルコンピューティングでは通信速度はケイタイからスマートフォンでは3000倍になった。CPUの性能は100倍、
トラヒック量は1500倍になった。キャパシティは非常に大きくなっているが、使いこなせていない状況である。
・SDNによるネットワークの仮想化が、ネットワークの柔軟な変更や効率的な運用、安全性向上に有効になってくる。
CPUの性能も数百倍になっており、システム性能も拡大しており、リモートとリアルタイムでダイナミックになっていく。
・データの価値を作り上げるには、データを集める必要がある。そのため、小型低消費電力のセンサが必要となる。
・映像情報をベースとしたセンシング技術も重要な力となる。NECでは、通信の変化を捉えて、センシング技術として
分析している。1つのカメラで、映像の変化から位置を認識していくようにしている技術も開発している。
・NECは顔認証技術も世界No.1である。米国国立標準技術研究所(NIST)のベンチマークテストにおいて、NECの顔
認証技術が第1位の評価を獲得 している。顔認識では、20年に及ぶ開発の歴史、実績がある。
・NECは複雑系に強い。データアナリティクス技術は相関関係を強く分析する力を持っている。個々のデータではなく
全体のバランスを見て分析することが出来る。これにより、複雑で大規模なシステムの挙動を把握することが可能
となる。現在、中国電力の原子力発電所の故障予兆システムの有効性を確認中である。
・異種混合モデルでは、ケース分けすることが出来る。ケース毎にアルゴリズムを作ることが出来る。
☆ビッグデータには、異なる規則性に従うデータが混在している場合が多く、従来はそれらを事前に分割しない限り
データを適切に分析することが出来なかった。NECが開発した異種混合学習技術は、高度な機械学習技術を応用
しており、人に頼ることなく、ビッグデータに混在する多数の規則性を高速・高精度で見つけ出すことが出来る。
これこそが新しい社会価値をつくっていくと考えている。
・ネットワークはSDNによりネットワークの簡素化とフレキシビリティを実現している。金沢大学付属病院やJR東日本
でSDNを実現している。更に、複雑系のネットワークや災害時のネットワーク、データセンタでもSDNは活用している。
高並列処理技術によりリアルタイム処理を実現している。NECは総合力により、クラウドのプラットフォームを作っている。
「感想」遠藤社長が非常に元気にNECの取り組みを説明された感じがした。
しかし、持ち時間が少なかったためか、非常に早口で、沢山のことを説明されたので、
良く分からない部分が多かった。