新たな産業革命と拡がるバリューチェーン 富士通 松本常務
1.新たな産業革命〜イノベーションを生み出すには
・情報を軸に新たな産業革命が起きている。人や私たちのまわりのモノが繋がって、情報のやり取りが行われる
ハイパーコネクテッドワールドの到来である。インターネットに接続するものが、2013年には100億個であるが、
2020年には500億個になると言われている。これらのものから大量の情報が流れ込み、その活用から新たな
知識が生み出され、大きな価値の創出が期待されている。
・高度な情報の活用が進み、大きな地殻変動を起こすことになる。テクノロジーのそのものではなく、どのように
活用して新しい価値につなげていくかが大事になってくる。色々な技術を人を中心に見直すと違って見えてくる。
個々の作業に閉じていた価値も、お客様の価値を最大化するため、産業を横断的につながっていくようになる。
作業の価値を、創造と知恵を媒体として、見直してみると大きく変わってくる。
個人が新たなテクノロジーを活用してイノバーションを生み出していくようになる。個人の力を生かしていくこと
が成長に不可欠な条件になる。この変化がイノベーションのあり方を根本的に変えていっている。
・従来のパラダイムの特徴は、効率性を求め、プロセスを過去の情報の流れからみており、組織が主導して
占有的なものになっていたことから、イノベーションコストは高く、クローズなものになっていた。
この時のICTの役割は生産性の向上であり、コストの削減であった。
・今後のパラダイムは、創造性を求め、現在の情報や今後予測される情報を自律的に動的にみて、知識を作り
だすことになる。個人が主体に取り組むことから、イノベーションコストは低く、オープンで共有的なものになる。
ICTの役割は、人のエンパワーメントで、商品やサービスの価値向上やビジネスモデルの変革である。
・イノベ-ションが生み出す経営資源は、人、情報、インフラになり、これまでの人、モノ、金から大きく変わる。
2.企業の成長を支援するビジネスイノベーション
・これからは、膨大な数の人が、こうあって欲しいと望むことを実現していく必要がある。これまでは、人から人に
情報が流れていたが、これからは、人からモノ、モノから人に情報が流れ込むようになる。
・人間を中心するヒューマンセントリックを富士通は目指していくことにした。ヒューマンセントリックイノベーション
は1企業に留まるものではなく、色々な企業が繋がっていくことになる。例えば、スマートフォンは様々なアプリ
やコンテンツを取り込めるようになっているが、関連する企業が大きな1つのエコシステムを作っているのである。
・マーケティングの例では、お客様がどういう好みを持ち何を求めているかを把握するようになり、オムニチャネル
という考えが拡がっている。ビジネスイノベーションは業種を超えたバリューチェーンをどんどん発展させている。
・農業では秋葉を作っている。農業クラウドを軸にして農業、食品など、色々な業界でバリューチェンを作っている。
東大では創薬に取り組んでいる。多くの化学物質やたんぱく質を組合せて230テラクロップという計算をしている
3.イノベーションを支えるICT
・イノベーションを実現のためのテクノロジーとサービスとしては、インテグレーション、ビックデータ、モビリティ、
セキュリティ、統合コンピューティング基盤がある。富士通はこれらの技術を総合的に構築できる企業である。
・クラウドでは2400種のコネクタを準備しており、どのようなものでも接続して利用できるようにしている。
統合コンピューティング基盤としては、複数のデーターセンターが目的に応じて処理するが、あたかも1つの
データセンタとして動くようにしている。
・セキュリティ対策としては、自社の運用で使ってきたノウハウを活かしてサイバー攻撃に対応するサービスを
提供している。
・富士通はシステムエンジニアがお客様と共創関係を構築し、お客様のイノベーション実現、ICTの力を活用した
豊かな社会づくりを支援していく考えである。
「感想」富士通の山本社長に引き続き、講演された。色々な事例を含めて説明してくれたが、面白い話であるが、
簡単に説されたので、内容は今一つ理解できなかった。短時間で社長と常務が分担して説明されたので、
ポイントのみを説明したという感じがした。