ビジネス革新や豊かな社会の実現に向けた挑戦  富士通 山本社長

 1.ICTの進化

    ・今年の富士通フォーラムはヒューマンセントリックをテーマにしている。

    ・ICTの技術が急速に進化している。 レーシングカーの進歩にも富士通は貢献している。自動車は走行中

     に浮き上がる力がかかる。この力を考慮するため、コンピュータで流量を計算している。しかし、考慮する

     条件が増えるほど、計算量が拡大していき、京のコンピュータでやっと解析できる状況になっている。

    ・コンピュータの進化は質的にも進化している。人工の声を合成することも多様に出来るようになった。

     怒った時の声だとか、山本社長の話し方など色々な声や話し方を合成できるようになってきた。

    ・ロボットがかなりの分野で実現している。人工知能が人の仕事を奪うという話もあるが、富士通は人間の

     パートナーとしてのロボットの開発を支援している。

    ・センサーが発達しており、様々な機能がセンサに埋め込まれている。 センサがネットワークにつながって

     おり、ネットワークにつながるセンサが数年以内に500億個から1兆個になると言われている。 これまでに

     出来ない、ありえないというものが可能となってきた。非常に面白いエキサイティングな時代になってきた。

    ・セキュリティの問題は非常に重要であり、行政、企業、全員が取り組む必要がある。


 2.激変するビジネス環境

    ・製造分野も大きく変わっている。 グローバルな世界から部品を調達することは当たり前になっている。

     モノつくりも3Dプリンタ、仮想現実設計、生産ラインシュミレーターGP4と大きく変わっている。設計内容も

     事前に可視化できるようになった。モノつくりでも新しいことに挑戦するハードルは確実に下がっている。

    ・ITと流通という産業の区分も意味を持たなくなってきた。スーパーが農業の生産から流通までトータルに

     取り組むようになってきた。ビジネスの構造変化がどんどん拡がっている。

    ・消費者も変化している。例えば、ガムの消費が減っている。これまでは暇な時にガムを噛んでいたが、今は

     暇な時はスマートフォを見るので、ガムを噛む必要がなくなり、スマートフォンに変わっている状況である。

    ・消費者は体験を重視するようになった。消費者の心を掴む動きもグローバル化している。

     モバイルもビジネスを変えつつある。時間や場所の制限がなくなっている。知識やノウハウを生かすように

     なってきている。進行するビジネスも大きく変化しており、攻めの経営が大事になってきた。

    ・クラウド化は分野を越えて、企業を連携するようになっており、ビジネスの環境が大きく変化してきている。

 3.日本、世界が抱える課題
    ・世界の人口が80億人に増えるに連れて、エネルギー、環境、水資源、・・など、数々の問題が出てきている。

     日本は穀物の輸入国である。穀物は沢山の水を必要としているので、日本が水を輸入していることになる。

    ・少子高齢化の問題も日本が最も先を行っている。これらの課題には、社会保障費と財政問題があり、効率

     化に向けた発想の転換が必要である。


 4.
ICTの活用が鍵に

    ・テクノロジーは人の問題の解決を支援している。富士通はICTでビジネスや社会の信頼性を変えていく。

     社会も安全性と信頼性が必要である。電子カルテは命を守るインフラであり、大きな可能性を持っており、

     展開しなければならない。富士通は人に関わるテクノロジーに拘っていく考えである。

    ・人の想いを叶えていきたいと考えている。そこで、今回のテーマをヒューマンセントリックということにした。

     未来医療、災害への構え等が必要である。災害対策については、実験で再現できないスケールの大きな

     テーマについてはコンピュータシュミレーションに一日の長がある。

    ・農業の革新も必要である。日本の農業技術は高く、大きなポテンシャルを持っている。

     農業の改革で参考になるのはオランダである。オランダは小さな国であるが、農業の輸出が非常に大きい。

     特に、花の輸出が非常に大きく、ITを活用した大規模な農業を実現している。

    ・富士通では半導体のクリーンルームとして使っていたが今は使っていないところを、無農薬野菜工場として

     レタスを作っている。空気や液体肥料に含まれる成分を細かくコントロールすることで、カリウムを1/5

     抑えたレタスを作っている。この技術を生かし、農業クラウドとして、幅広く展開したいと考えている。

    ・ビジネスの現場や経営におけるイノベーションにも取り組んでいる。

     富士通はICTの力で、医療、農業、防災、教育、環境、交通、エネルギー分野のお客様のビジネスの革新

     を支援していく考えである。

     富士通は、通信インフラからデータセンタ、スマホなど幅広い技術を持っており、これらの技術を総合的に

     活用して支援できる数少ない企業であると考えている。通信インフラからデータセンタを支えるサーバ、

     サービス基盤、トータルに支援していく考えである。更に、グローバルに展開できる体制を持っていること

     から、グローバル環境でパートナーになりたいと考えている。 

  「感想」富士通の山本社長は非常に沢山のことを早口で説明されており、聞いた内容を資料としてまとめるのは
       非常に難しい感じですが、一応まとめてみました。クラウド化により、産業の連携が進み、境界が崩れ
       つつあるという感じがしました。
       また、情報から知識、智恵に軸足が動いているということは面白いと思いました。