最新事例に見るこれからのコラボレーション改革
〜成功企業が実践するソーシャルメディアをコア業務に活用・定着のストーリーとは〜
1.競争力の源泉はコラボレーション改革
・世界の主要企業CEOへの意識調査として、自社に影響を与える外部要因の第一位がテクノロジーになった。
エネルギー、ナノ・テクノロジー、ITなどテクノロジーの発展が製品、オペレーション、ビジネスモデルを変革している。
ソーシャル旋風が市場にビックデータを創出し、ビックデータを蓄積・分析するテクノロジーが実現されている。
テクノロジーにより人と人の相互理解とコラボレーションを実現し、社員と顧客、ビジネスパートナーとのつながりを
作り変えるようになってきた。このため、ITテクノロジーがビジネスに大きな影響を与えるようになってきたのである。
・好業績企業のCEOは3つの取り組みに注力している。
@社員と価値観を共有し、社員に権限を委譲すること、
A膨大な顧客動向のデータを分析することで「個」客に対応することが出来るようにすること、
B他社との連携が不可欠になっており、ノウハウを統制・ガバナンスを強化すること、の3つである。
・コラボレーション改革を実現するため、米国ガートナーは2015年迄には4割がFacebook などのコラボレーション・
ツールを社内に導入すると予測している。日本IDCでは今後数年で48%の企業が利用を開始すると予測している。
ガートナーは既存のコラボレーション・ツールを新たな利用パターンに再構築する第4世代コラボレーションサービス
が登場すると予測している。第4世代ではメールの次にステップンになるユニバーサル・ダッシュボードが普及する。
2.現状の課題と、ITによる実現イメージ
・現在の情報共有・活用のプロセスとしては、情報伝達とコラボレーションには電子メールを利用し、情報はファイル
サーバに蓄積管理し、情報の活用には検索システムを利用して実現している。
しかし、電子メールでは情報の閲覧状況が分からないとか、必読情報が分かり難い。コアボレーションでは前任者
に聞かないと分からない状況である。情報管理では似たようなファイルが沢山あり違いが分からないとか、情報の
活用でも検索しても似たようなファイルばかりで、キーワード検索だけでは絞り込めない問題が出てきている。
・情報共有・活用のあるべき姿としては、情報伝達では、やるべき業務と期限を一覧で把握でき、重要通達の閲覧状況
を管理できることが出来る。コラボレーションでは前任者の業務履歴を容易に把握できる。情報管理・活用では類似
ファイルの作成・修正履歴が容易に分かると共に、さまざまな検索を支援する仕組みにより、目的の情報を取得する
と共に、キーパーソンへのリーチが可能なことである。
・実現する情報伝達のイメージは、個人毎に職種や役職、参加プロジェクトなどによりパーソナライズされた情報を表示
し、社員の活動を支援すると共に、管理者にはログの取得により、社員の情報の閲覧状況を把握することが出来る。
・実現する情報管理では、組織やチームのメンバーのコラボレーションの履歴が記録され、ノウハウが共有出来る。
これにより担当者が異動しても、アクセス権を外すだけで良くなり、ファイルは残り、後任者が利用できるようになる。
・実現する情報の活用イメージでは、キーワード検索だけでなく、タグやカテゴリーによる検索や関連情報やお勧めなど、
蓄積した情報の活用や気付きを支援出来るようにする。更に、情報発信者のプロフィールを把握できると共に、参加
プロジェクトや発言履歴を把握し、人脈ネットワークから専門家へのリーチを支援出来るようになる。
・現在のように電子メールを使って仕事する場合は、当面のことにウエイトが置かれるため、緊急で今重要なことだけで
なく、緊急だが重要でないことに大きな時間をかけることになっている。本来は、緊急ではないが、目的達成のために
は重要なことに時間をかけるようにするべきであり、現在のように電子メールに振り回されない形態にする必要がある。
3.コラボレーション改革の成否はスト−リーがポイント
・現在のツールやテクノロジーの導入では、ソーシャルメディアやタブレット端末・スマートフォンを導入することが目的に
なっているため、情報が断片的になり、ストーリーが繋がっていないことから使い難くなっている。
・筋の良いストーリーを実現するためには、誰に、何を、なぜ、というように、静止画から動画的なコンセプトを作成して、
それを実現するために、最適なツール/テクノロジーを選定することが重要である。
・導入企業では、社員がツールを使ってくれない、管理職が非協力的だ、そもそもコラボレーションする習慣がないという
声があるが、導入すべきツールとしては、コラボレーションを継続する方法やビジネス価値の測定方法である。
・コラボレーション革命のためにツールやテクノロジーを導入するポイントとしては、ユーザが利用することに必然性を
持たせることであり、そのため、業務システムとして利用することである。また、ユーザに利用可否の判断を与えない
ために、各システムがシームレスに連携していることが必要であり、業務テンプレートの適用がポイントである。
・戦略策定と推進のリサイクルとしては、@優れた戦略は、失敗を分析することから生まれる。
A優れた戦略を企画するには、メンバー個々の能力を活かす協働作業の場が重要である。
B優れた戦略を実行するには、目標/戦略の共有とメンバー間の活動状況の共有が不可欠である。
Cそして目標に向かって7メンバーが一丸となる一体感を醸成する。ことである。
日立ソリューションズの松本様の話は現在のコラボレーションツールの問題を良くまとめていて、面白かった。
コラボレーションツールももう一度作り直される時期が来ていると感じた。