お客様とともに描くこれからの社会とビジネス 富士通 山本社長
1.富士通が目指すこと
・富士通としては、進化するICTの技術を社会の発展につなげていきたいと考え、ビジネスのチャンスや社会の
シームレス化に向かって、富士通の製品がどのように役立つか整理して、一冊の本にまとめた。
・コンシューマ製品は地域のニーズに合わせてきたが、グローバルな形が進んでいる。これまで日本は高品質を
目指して高価格になったが、品質や性能に対して値ごろ感があれば売れるという世界市場と同じ傾向になった。
競争のパラダイムも変わった。競争に関する考えも大きく変わった。電話もLineやSkypeを使う人が非常に多く
なっている。個人の自宅の一室を1日いくらで貸し出す、これまでには考えられなかったことも出てきている。
既成概念の変化は消費行動にも見られる。ものを買う時、ネット上の価格を調べるのも当たり前になってきた。
・ICTの技術がサービスにも大きく影響している。電子ブックは印刷コストをゼロにした。自動車の障害物を検出
する機能も10万円位で手に入る。工場のラインのロボットも200万円程度で買えるようになった。柔軟な発想さえ
あれば、企業でなくても、個人でも、誰もが新しいサービスを作ることが出来るようになった。
2.ビジネスのチャレンジを支えるICT
・ビジネスは変化のスピードへの対応と複雑化する市場環境への対応、新たな価値の創造が求められている。
・スピードに対しては、モダナイゼーションサービスを提供している。仮想化によるサーバの統合と、資産分析に
よるスリム化、アプリケーションの標準化により、適切な環境に短期間・低コストで移行することが出来る。
移行後のアプリケーション運用と保守まで一貫したサービスを提供することも行っている。
ICTインフラとしては統合プラットホームによりすぐ使えるようになり、従来5日かかっていたのが1日に短縮した。
・ワークスタイルの変革としては、コミュニケーション基盤を軸とし、レスポンスを向上し、コミュニケーションを強化
することにより、社員の創造性につなげていく必要がある。現在は新しいイノベーションが求められている。
直面するリスクも拡大している。サイバー攻撃が増えており、自然災害の加えて、人事的なリスクも増えている。
これらが新たなチャレンジにつながっている。グローバルに勝ち抜く機動性と複雑な環境への対応のための技術
革新により、変化をチャンスに変えることが出来る。チャレンジにおいては、ビジネスを支えるICTが必要になる。
・オフィス環境としても、いつでも、どこでもセキュアな環境が求められており、富士通でも社長自らがタブレットを
常に持って、どこにいても、スケジュールの管理やメール送受信などが利用できるようにしている。
・複雑化する市場環境には、データの科学的分析により、複雑な判断をサポートして、意思決定を支援している。
現場で発生するデータをリアルタイムに活用できるようにするため、ネットワークにより支援している。
・サイバー攻撃のセキュリティ対策としては、技術、運用、組織の3つの守りで情報の出入り口を多角的に防御して
おり、セキュリティ専門のレスポンスチームである富士通クラウドCERTがモニタリング運用し、緊急対応している。
3.富士通の取り組み
・消費者がFacebookなどのソーシャルツールを活用するようになっており、企業は直接対応する必要が出てきた。
ネットの世界が広がっていることから、現実の空間に情報を付加する拡張現実としてAR技術を活用している。
携帯電話のカメラなどの表示画面に画像や文字を表示するAR技術や画面を手でなぞるだけで画像を取り込む
ことが出来るなど、アナログとデジタルを融合した人に優しいインターフェースを開発している。
・コンピュータの進歩でシュミレーション技術が発展しており、全く新しい発想でもの作りが出来ようになってきた。
ビックデータについては、これから注目されると考えているオープンデータの活用を支える技術を開発している。
世界中で公開されている互いにリンクが張られたデータであるLinked Open Dataは2013年には400億項目
のデータが公開されており、これらを活用することで様々な分野でイノベーションすることが可能となっている。
・ICTは社会を支える基盤になりつつあり、端末、ハード、ネットワーク、ソフト等、サービス全体をシームレスな型
で総合したサポートが必要になっていくと考えられる。
・富士通はお客様を支援することを通じて、豊かな社会の実現に貢献していきたいと考えている。具体的には、
先進医療では、創薬や人の体のシュミレーションにより、より有効な治療が行えるようにする。
食の安全と農業の支援では、食・農クラウドに向けた沼津工場の敷地内で、野菜生産を実践している。
地域活性化では、観光情報のナビゲーションサービスやMyルートガイドサービスなどを行っている。
復興支援としては、心のケアや見守りサポートなど に取り組んでいる。
「感想」 短時間に非常に沢山のことを説明されたので、なかなか理解出来なかった感じです。
全体には、社会が急速に変化しており、新しい価値の創出が必要になっている。この
ような価値を創出するには色々な分野で取り組むことが出てきており、それらを支援する
ICTの重要性が増しているということだと感じました。