新たな成長に向けたドコモの取り組み  ドコモ副社長 24.12.5

 1.移動通信事情の現状

   ・世界の人口は201212月の64億人から201512月には73億人と増加する見込みであり、それに伴い、携帯電話

    の契約数は53億契約から77億契約に増加する見込みである。ドコモは加入数では世界の21位であるが、売上は

    4位である。日本はデータ通信の売上比率でリードしている。スマートフォンの比率は2011年には50%を越えており、

    現在では70%を超えている。契約がスマートフォンに変わると、加入者当たりの売上が1700円増加している。


 .ドコモの端末・ネットワークの進化

   ・ドコモでは端末はAndroid OSを中心にラインナップしている。人気が高いフューチャーフォンも4機種出している。

    サムソンのグローバル端末に,おさいふ機能やワンセグ、エリアメールなどドコモ特有の機能を追加している。

   ・世界で初めて、らくらくスマートフォンを販売した。らくらくスマートフォンではGoogleアカントを不要として安心して

    使えるようにした。パケホーダイも月額2980円と安くしており、販売開始して3ケ月で30万台を出荷している。

   ・ドコモではスマートフォン2012年上半期に644万台を販売しており、年間では1400万台販売する予定である。

   ・増加するトラフィックへの対応としては、利用効率を3にするLTEXの推進、料金プランによる速度制限による

    トラフィックコントロール、Wifiのオフロードによるネットワーク負荷の軽減などを行っている。

   ・2010年から2012年には2倍のトラフィック量になった。フューチャーフォンからスマートフォンになると通信料7

    なることから、2011年から2015年にはトラフィックは12倍に増えると考えている

   ・LTEXiを推進しており、現在は700万契約になったが、2012年末には1100万契約になると考えている。Xiエリアを

    拡大しており、2012年には人口カバー率が75%になる見込みであり、通信速度も112.5Mb/sに上げる予定である。

    これには1.5G帯を利用しているため、地方からサービスを開始し、首都圏は2014年春にサービスする予定である。

    首都圏では屋内の利便性を向上する必要があり、2000ケ所で対応し、地下やビルでも利用できるようにしている。


 3
ドコモクラウドの進化

   ・ドコモクラウドとしては、本人認証と課金決済のためのID認証基盤とパーソナライズ基盤により、先進的なサービス

    を提供する考えであり、dマーケット、インテリジェントサービス、ストレージにより、多彩なサービス実現している。

   マーケットとしては、ネットワークに付加価値を付けるサービスの開発に取り組み、リアルな商機の拡大を目指す

    コマース、ショッピングを充実している。更に、生活教育ヘルスケア、ビデオなどのコンテンツに取り組んでいる。

   ・インテリジェントサービスとしては、しゃべってコンシェルの進化、はなして翻訳、うつして翻訳などを実現している。

    ストレージサービスは、電話帳やSPメールのクラウド化により、電話帳変更のお知らせやフレンドニュース機能を

    実現している。今度、ドコモIDで複数のサービスを可能とする機能を実現する考えである。

   ・グローバル展開として、出資、提携などもあるが、プラットフォームサービスをメインとして取り組む考えである。

   ・M2Mについても、積極的に取り組んでおり、日本で37%のシェアを確保しており、年40%くらい伸びている。

 感想 : ドコモもスマートフォンを中心に事業展開している感じであるが、データ通信での売上を増やすことを重点に
       取り組んでいる感じが強く、利用者が必要としているサービスを経済的に提供するという考えが抜けている
       感じが強い。これではお客様が減る恐れが強い。また、ネットワークキャリアとしてよりも総合サービス業者
       を目指している感じが強く、日本の中核キャリアのドコモの位置づけが弱くなっていることが気になる。