グローバル経営のパートナーとして NTTデータ 岩本社長 H24.7.4
1.グローバル化の中、世界で日本で何が起きているのか
・ユーロクライシスが起き、ギリシャなどの国債が問題になっている。ギリシャやスペインでは失業率が50%を越えている。
2011年のコンテナの取扱数が多い世界の港は、韓国の4位以外は1位から8位まではすべて中国の港になっている。
日本の製造業の中国現地法人は、2001年には1397であっが、2010年には3078になっており、2.2倍になっている。
・中国の影響が大きくなっており、日本は高齢化先進国になっているなど、世界の地殻変動が起きていると考えられる。
2.社会変化の深層的要因としてのITの技術革新
・ITを動かす3大要素として、CPUとストレージ、ネットワークがあるが、3大要素すべてで級数的に性能が伸びている。
CPUはトライ・ゲートという3次元のものが出てきて、大幅な省電力が進むと思われる。携帯電話のOSはARMが先行
しているが、生産は色々な企業に委託する形態をとり、発展している。ストレージもHDDからSSDに進化しており、SSD
のコストダンが進んでいる。ネットワークは多重化が進んでおり、2012年には548GB/s×224波長=100Tになっている。
インターフェースも人間とコンピュータの融合が進んでおり、機能が多様化し、使い勝手が良くなっている。
3.近未来の情報社会
・近未来の技術トレンドとして、多様なユーザ要求をリアルタイムに満たすことが求められる。センタ間のネットワークが
進化するM2Mや嗜好分析や感情分析によるユーザ理解があり、データ活用のリアルタイム性を追求する技術CEP、
In-DB、多機能で柔軟性に優れた ウェブ解析ソリューションAnalyticsなどのリアルタイム基盤が要望されている。
・企業競争力の源泉は知識やノウハウへシフトしており、データフュージョン技術によるデータの融合と活用や予測予兆
発見技術による実世界のコントロールなどが研究されている。
・マス重視から個重視の社会へ移行しており、準天頂衛星やGPSによる高精度位置の検出や多様なデータ型マイニング
とそれを利用したソーシャル分析、個人情報を活用できるセキュリティ技術などが進んでいる。
・誰でも活用できるITが普及すると思われる。そのため、音声認識、ジャスチャー認識によりネットワークの進化、拡張
現実(AR)による仮想世界と実世界の相乗効果、翻訳技術による言語ギャップの解消などがあげられる。
HALEXはピンポイントの天気予報を提供しており、非常に多くの企業が天候に影響を受けており、貢献できている。
・ソフトウェアの生産技術の革新も進むと思う。日本の製造工場では生産技術が自動化が進んでおり、ほとんどの工程
が自動化されている。ソフトウェアでも設計と自動検査やテストの自動化を進めている。特に、維持管理工程のコスト
の大幅な削減が進んでいる。昔も検討してきたが出来なかったが、ICT技術が進歩した結果、出来るようになった。
・3K産業して嫌われているソフトウェア産業も、労働集約型から知識集約型に変わっていくようにしたいと思う。
(感想)
新しく社長になられたこともあり、少し、力が入った講演になっていたと思う。将来に対する見通しを色々な面から説明されており
非常に参考になった。新しい言葉が多く、聞いたお話をまとめるのに、インターネットで調べる必要が多かった。