変える力を、ともに生み出す NTTデータ 山下社長 H24.1.27
1.日本の抱える先進的課題とチャンス
・日本が抱えている課題としては、少子化と高齢化、人・金不足の中のインフラクライシス、超円高、先進国環境の
中の企業の生き残りなどがあり、これらを解決することが今後の事業の大きなチャンスと考えている。
・ 少子化と高齢化は、世界が経験したことのない課題に直面している。ドイツ、中国なども高齢化が進んでいる。
日本では15歳以下の人口が10%を切り、65歳以上は23%となっている。今後、高齢化が更に進む見込みである。
・日本の介護市場は、2000年は8.5兆円、2010年は11.3兆円、2020年は20兆円となり、伸びが止まる見込みである。
これからは、少子化・高齢化に伴い、介護市場と保育市場が拡大すると考えており、積極的に対応したい。
・社会インフラの、水道、下水道、橋梁、壁面などが大量に更新する時期が到来しているが、メンテナンスする人が
減少している。特に、若い人の割合が減っているが、重労働のために、支援ツールの開発が急務になっている。
自治体には金がなく、インフラへの投資意欲が減退しており、管理の自動化や維持改修の効率化が必要である。
NTTデータでは橋の監視(異常の検知、再開判定、損傷率の推定など)に取り組んでいる。
・円高やユーロの下落で、企業の生き残りが重要になっている。IT技術は企業の省力化ツールから脱皮し、ITを
武器に、M2Mによる建機の監視のような、企業の変革を進めるべきだと言う意見が出ている。
昨年の東日本の震災では、インターナビを利用して、自動車が通れる道路を調べることが分かるようになった。
・日本が抱える課題をポジティブに考え、今後のビジネスのチャンスとして捉えるべきである。
2.グローバル化
・グローバルで競争が激化する中で生き残るため、蓄えてきたノウハウの活用や新サービス開発に取り組んでいる。
・国内に実績のあるサービスの海外展開としては、電子決済、地図、防災などがある。
日本では救急医療情報システムが40県に導入されており、これを活用して、大規模災害が起こる率の高い
ASEANに導入する考えで取り組んでおり、AHAセンタの設置を進めている。
地図情報システムは、インドネシアのNSDIを設置し、天然資源の探索や農業等に活用する計画が進んでいる。
電子決済は日本ではCAFISが運用され、世界的にも進んでおり、ベトナム、タイに展開する予定である。
・先端技術を活用したサービスの開発と国内外への展開に取り組んでいる。
道路や橋梁の監視のために、マルチデバイスセンサの検討を進めているが、課題は電源の問題である。
振動を利用して電気を生む技術など、エネルギーハーベスティブの開発に取り組んでおり、成果を上げている。
北京では日産と協力して、最短ルートの探索するなどの交通情報システムを開発している。
脳科学の研究にも取り組んでおり、帝人と協力して、デザインに認知や効果、購買動向に活用する予定である。