NTT株主総会模様 H24.6.22
1.企業集団の現況
・23年度は東日本大震災があったが、NTTグループの事業状況としては増収増益を実現することが出来た。売上額は
10兆5074億円で、前年度に比べ2024億円増加した。純利益は1兆2393億円となり、前年度に比べて635億円増加した。
・厳しい経済状況の中、情報通信市場はブロードバンド化、ユビキタス化が急速に進展した。固定通信分野は固定電話
から光IP電話への移行が進み、移動通信分野は、サービスや端末が多様化・高度化すると共に、競争が激化している。
・NTTグループは、平成20年5月に策定した中期経営戦略「サービス創造グループを目指して」に基づき、ブロードバンド・
ユビキタスサービスの拡大に取り組んだ。
2.企業集団が対処すべき課題
2.1.中期経営戦略に基づく事業展開
・事業構造の改革では、IP系・ソリューションの売上高を75%にする目標に対して、23年度は70%まで高めることが出来た。
・光サービスの収支は、先行投資により赤字が続いたが、収支改善を図り、単年度黒字化を達成する見込みである。
・グローバル事業の売上高は急速に拡大し、100億$を突破して、当初の目標を1年前倒しで達成することが出来た。
・設備投資の対売上高比率は、東日本大震災やスマートフォン拡大への対応があり、15%の目標に対し18.5%となった。
・営業利益は24年度の目標1兆3000億円に対して、当該年度には1兆2230億円となった。更にコスト削減に取り組みたい。
2.2.法人・公共向けICTサービスの充実
・お客様のニーズの多様化に対応するため、NTTグループ各社を組み合せた総合的なクラウドサービスを展開している。
・ビックデータと呼ばれる大量データを加工、分析して、新たな付加価値を創造するためのサービス基盤を提供している。
・行政、教育、医療の利便性向上、環境問題、少子高齢化などの社会問題に対応するためICT利活用を推進している。
2.3.コンシューマサービスの充実
・スマートフォンやタブレット端末の多様化・拡大に対し、dメニュー、dマーケットなどプラットフォーム機能を充実している。
・スマートフォンでビデオ作品の視聴が可能な「ひかりTVどこでも」の提供やスマートフォン向け放送局NOTTVを開始した。
・既存のお客様の長期利用を促進するため、長期利用割引や会員制プログラムなど、長く利用して頂く仕組みを進める。
2.4.グローバル事業の推進体制の強化
・戦略や人事の両面において、NTTグループ会社間の連携を更に強化することで、グローバル事業の成長を加速させる。
・各拠点の状況に迅速柔軟に対応するため、総合的なクラウドサービスの提供とマネージドサービス提供力を強化する。
3.24年度の見通し
・24年度の事業目標としては、増収増益を目指し、配当も140円から20円増配し160円とする計画である。
売上目標は2500億円増の10兆7500億円とする。純利益目標は400億円増の1兆2800億円とした。
・株主総会に出席した感想
NTTグループの持ち株会社として、事業戦略やビジョンに質疑を期待したが、質疑は合理化の進め方の問題や桂頚腕も
処理など東西会社のサービス運営問題や労務問題ばかりで残念でした。もっと、研究所の取り組みを聞きたかった。