時代の転換とアジアで輝く日本 出井社長
1.時代の転機
・旧暦の日記をつけているが、自然の見方が変わってきた。旧暦に戻ることで、日本を取り戻すことが出来ると思う。
・世界は激変しており、時代の転換点になっており、日本は岐路に立っていると考えている。
米国は、アメリカ資本と金融システムが破綻し、世界の影響力が低下しているが、エネルギーは復活している。
欧州は、通貨統合して、大国が有利になり、ギリシャなどが行き詰っている。 どちらも政治のレベルが低下している。
・これからの世界は国対国でなく、文明対文明の衝突に変化している。日本は一つの文明しかない唯一つの国である。
日本は鎖国している間に、独自の文明を育んできた。その間に、キリスト教の侵入がなく、植民地にもならなかった。
日本は独自の文化を築いてきたが、戦争をしたことにより、日本を正視しなくなったと思う。
・グローバルゼーションとしては、欧米中心の第1グループと、新興国の第2グループ、社会体制が変革しているアラブ、
アフリカの第3グループがある。日本は第1グループと第2グループの中間にあり、第3グループとも話が出来る。
2.日本の苦悩
・日本は、中国や韓国からの進出とアメリカの進化の板挟みになっている。日本の立ち位置を決めなければならないが、
自分でやる必要がある。これまでの延長ではない、新しいビジョンを考えることが必要である。
・日本の状況を考えると、東京一極集中の状況であり、東京だけでも韓国全体の経済を上回っている状況である。
大阪は地方行政の変化など、大きく変わりつつあり、地方も多様性に富んだ活力のある地域がある。
このような状況を見ると、地域的な特徴を活かすためには、昔の藩に戻った方が良いのではないかと思う。
3.日本の課題とビジョン
・日本に必要なことは思想であり、ビジョンであり、震災で揺らいだブランドを取り戻すことであると考えている。
何故、日本の漢方薬が売れているのか、秋葉原で電気製品が売れるのか考えると、安全であるということである。
・日本のブランドは安全安心な国である。それを基にビジョンを作る必要があるが、今の政府ではまったく出来ていない。
出井さんが考えるビジョンとしては、東京を中心とする構想と東北の復興に向けた構想をの2つの構想を考えている。
構想1は東京湾に世界一の都市を作ることである。自然エネルギーを進め、教育やエンターメントを作ることである。
構想2は東北スカイビレージである。東京ドーム位の20m位の円形台地をガレキで作り、その上に住居や工場を作る。
お金は東京で集め、プラントを作り、東北地域で安全安心で自然と共生の産業を作ることである。
福島は復興事業として広島や長崎と連携して、放射線医療やDNA,メンタルケアを進めるメデカルタウンを作る。
自然エネルギーと新型供給システムに取り組む新エネルギータウンの建設と新型農業の実地応用に取り組む。
・考え方は東日本一体に復興・再生に取り組み、日本×アジアで計画を実現する。西日本は別の計画を立てると良い。
これからは温故知新のフィードバックだけでなく、先を取るフィールドフォワードの新しい考えに大転換する必要がある。