2012年の社会環境とITの新潮流 24.1.19
「活性化の源泉は異質の受け入れにある」 ソフトブレイン創業者 宋文洲様
・中国や韓国では成長するために一所懸命に努力しているのに比べたら、日本には元気のない会社が多い。
日本の企業が元気のない理由は、同質の人ばかりで、異質な人がいないことが原因だと考えている。
・日本では昔から「嘘は泥棒の始まり」と言われているが、今の日本の企業には嘘が多いと思う。
オリンパスの菊川さんの場合は、本人の懐にお金を入れたわけでなく、自分のためになっていないし、会社の
ためにも、社会のためになっていない。それなのに、あのようなことをしたのは、同質企業からだからと思う。
・今の日本の企業は、社長と同じような人を後任に決めて、本人は会長になる。更に、相談役になり、80歳に
なっても、朝8時から会社に来て、会社の最上階の大きな部屋に座っている。
その結果、会社は同質の人ばかりになっており、自分の意見が言えなくなり、嘘がまかり通っている。
・異質なものを受け入れた方が元気が出る。刺激を受けないと滅びると考えている。
組織が壊れない前提で、異質なものを受け入れないと、組織は活性化しないと考えている。
ローソンのアドバイザーを引き受けている。ローソンの前社長はユニクロの社長から移ってきた。
その前の社長はIT企業の副社長から移ってきた。今のユニクロの役員には他社からきた人が多い。
ローソンは異質なものを常に積極的に受けて入れてきた。このような会社は私と合うと思って引き受けた。
・借金を沢山すると借金が怖くなくなるのと、同様に、同質の人が集まると安心できるようになる。
今の日本では異質なものがくると文化が違うと排除しようとする。日本の会社の多くは、同質の人が集まっており、
自分の意見が言えなくなっている。自分で責任を持たず、みんなの性にしたい人ばかりになっている。
・私は日本がTPPに入るのは賛成だ。その理由は日本の農業が元気になると考えるためである。
今の日本の農業は、実際には誰も真剣に農業をやっていない。農業をしなくでも、補助金が出るからだ。
このような状況では、TPPで市場開放を行うと、日本の農業は持たないと思う。
仕事をしない人間や甘い人間は勝てる訳がない。TPPに参加すると日本の産業が大きく変わると思う。
・日本では、数年前まで、資源がないから製造業を活かすしかないと言っていた。しかし、最近の日本では
日本の条件はまったく変わっていないのに、違う回答に無理に持って行っている。これは可笑しいと思う。
・弱い人は、異質な人というだけで悪いと言う。
年をとっても会長でいたいと考える人が多く、年をとっても最上階の大きな部屋を陣取っている。
同質な人が集まり、社員は自分の意見は言わない。そのような企業が元気になる筈がない。
日本の企業を元気にするには、このような老害をなくし、外部から異質な人を取り入れる必要があると思う。