Doing Both
 シスコ Inder Sidhu副社長  H23.11.18

 Doing Both : 二者両立

   ・時として選択をしなければならないが、一つを選択するのではなく、二者が両立することを選択することが必要である。

    個人的な生活では二者両立を選択することが多いが、仕事では二者両立を選択することを行うことはほとんどない。

   ・今日はシスコがこれまで取り組んできたことで上手くいったことと、上手くいかなかったことを説明したいと考えている。

 .持続的イノベーションと破壊的イノベーション

   ・イノベーションには、持続的イノベーションと破壊的イノベーションがあるが、両立させることが必要である。

    持続的イノベーションはより安く、より良くすることであり、破壊的イノベーションは事業を根本から変えることである。

   ・大企業は持続的イノベーションしか出来ない。シスコも半導体のチップ設計などで持続的なイノバーションをしてきた。

    シスコでは、大企業が破壊的イノベーションを行う方法として、社内ベンチャーと社外的な取り組みを行ってきた。

    社内ベンチャーとしては、イマージックテクノロジーグループを立ち上げて、テレプレゼンスを成功させ、大量に販売した。

    リーダーからの失敗しても良いという条件を受け入れたが、同じ失敗はしないという条件を付けることで取り組ませ

    リスクを背負う気持ちのある人を集めた。報償等のインセンティブを与えると共に、期限をつけて、頑張らせ、成功した。

   ・社外的ま取り組みとしては、破壊的イノベーションと集中的な専門知識を持つ会社を設立し、新しい事業を起こした。

    シスコは資金を提供することで、成功率を上げ、事業に成功したら、会社をシスコに吸収して、事業を拡大してきた。

    このようにして、シスコは3大市場である、音声、ストレージ、コンピューティングの分野で事業を伸ばしてきた。

    シスコは持続的イノベーションと破壊的イノベーションの両方を取り組み、二者両立の相乗効果を起こしてきた。

.最適化と改革

    ・もう一つの成功例は、業務での最適化と改革である
    シスコ
は昔、年々売上が大幅に伸びていた時、急に売上が前年に比べ40%と落ちたことがある。お客様が製品を手に

    入れるため、本当の必要数の2倍、3倍の発注が出ていたためで、大量の在庫が出てきて収支が急速に悪化した。

    シスコは、改革のゴールを作り、第三者を入れて、在庫調整を行った結果、優秀なサプライチェーンの会社になった。

    ESCADAは高級ファッションブランドであるが、新しいモードを作り、発展してきた。毎年変革してきたが、在庫の管理

    の最適化とか調整などが得意でなかった。その結果、在庫が急速に増加して80億円の赤字を出す状況になった。

    Dellは最適化や調整は得意であったが、変革は得意でなかったため、2005年の売上1位から50位圏外になった。

4.お客様との親しさ

   ・お客様の信頼を得るには、正しくものことを行う優位性と大事なことを行う必要性の両方が必要である。

    良いものを作っても高過ぎれば、お客様は求めなくなる。シスコもインターネットの土管屋になりたくなかったので、

    音声電話やプロセスの会社を吸収することにより、優位性を発揮しながら必要性を高めることに努めた。
5、パネルディスカッション
   ・日本シスコ 平井社長
     シスコは140社を買収したことで成り立っているが、企業文化の共有が出来るかが判断のポイントである。
   ・ホッピービバレッジ 石渡社長
     社員は人材であり、自分で育成するには新入社員の採用が不可欠である。社員が頑張るようにするには自分の
     考えを日々理解させる必要があるが、話しても分からないこともあり、共鳴が必要と感じている。
   ・ライフネット生命 井口社長 
     生命保険は若い人のためであり、貧しいお金のない若い人を支え、子供を産み、育てるようにしたい。
     物事には必ずトレードオフがあり、良いとこ取りというのはないと考えている。