クラウド時代の新たなスマートフォンの展開 ドコモ 阿佐美執行役員 H23.11.16

 1.スマートフォンの概況

    ・今年になり、スマートフォンの出荷が半分を超えてきた。2015年位には半分位がスマートフォンになると考えられる。

     20113月には、ネットOSも iOSに対して、アンドロイドが増加しており、50%近くになっている。

    ・ドコモのスマートフォンの販売状況としては、2010年の実績は252万台であったが、2011年上期には363万台となり、

     2011年の年間販売数としては、計画を大きく上回る850万台となると考えている。販売シェアは50%を超えてきた。

     当初は操作の問題から女性の比率は低かった。2010年2Q28%であったが、2011年2Qでは44%と増加している。

    ・ラインナップも秋冬モデルでは14機種の内、10機種がスマートフォンであり、これまでの携帯電話で良く使われて

     いたワンセグ、お財布ケータイ、赤外線通信機能などを新しいスマートフォンには搭載している。

    ・スマートフォンのサービスとしては、使い方を発見するためのポータルサイト(dmenu)と使って役立つコンテンツ・

     マーケット(dmarket)のサービスの提供を開始した。Dmarket4つのストアを持ち、1000タイトルと20000エピソード

     を提供するVideoと、100万曲のMusic3万タイトルのBook25万アプリを提供するアンドロイドマーケットがある。

    ・ネットワークとしては、Xiの展開を促進することとし、2011年には7000局でサービスし、人口カバー率は25%となる。

     2012年には2万局に拡大し、カバー率は60%に、2014年には5万局に拡大し、カバー率は98%に拡大することとした。

     Xiの加入者は2011年9月には39万契約であったが、2011年末には110万契約に増加する予定である。

     2015年にはスマートフォンやタブレット端末は4000万契約を目指し、その内、Xi3000万契約を目指している。

    ・料金も1480/月で音声はかけ放題とし、パケットはパケホーダイフラットとパケフォーダイダブルの2種類とする。

 2.スマートフォンの位置づけ

    ・1999年にiモードサービスを開始し、色々な機能を取り込んできたが、スマートフォンのアプリを使うことにより、より

     リアル感のあるサービスを提供することが可能となり、今後は使いこなすことにより、無限の可能性が出てきた。

    ・オープンなアプリの世界により、グローバルな展開を進めることができ、沢山の知恵が出て、アプリも出てくる。

    ・アラジンの魔法のランプのように、スマートフォンを擬人化し、アプリにより執事のように使うことを目指している。

 3.中期ビジョン2015 (スマートライフの実現に向けて)

    ・先日、総合サービス企業に向けた2020年ビジョンHEARTを実現する途中段階の中期ビジョン2015を作成した。

     変革とチャレンジ2012に引き継ぐ計画であり、ネットワーククラウドを加速させることにより、高度な情報処理と

     通信処理を実現することにより、様々な付加価値をしていき、スマートライフの実現に向けていく考えである。

    ・パーソナルクラウドではセキュリティを強化し、大量データと高度な情報処理を活用し、コンシュマ向けて新たな

     価値を実現する。ビジネスクラウドではビジネススタイルを提供するソリューション基盤を実現する考えである。

 4.クラウドの展望

    ・クラウドが進展する背景と今後の取り組みとしては、色々な方面から考える必要がある。

     @マルチデバイス/チャネルに対しては、一人一人が色々な端末やネットワークを使うことになるため、端末

       ネットワークに依存しない、一元的な認識と管理が必要となる。

     Aパーソナル化/エージェント化については、お客様毎に対応することとお客様の行動に基ずくサービス展開

       必要となる。お客様が必要とする状況で、必要な情報を提供できるようにする必要がある。

     B端末紛失のリスク対策としては、大切な情報をネットワークで預り、セキュリティを確保することを検討している。

     Cソーシャル化による情報共有と情報発信については、ネットワークで情報を蓄積管理することにより、情報の

       占有化を行うことで実現する考えである。

     Dプレーヤの事業戦略との整合については、お客様の取り込みのためのネットワーク主導のビジネス展開する

       こととするが、お客様にマッチした情報を出せるかがカギとなる。

    ・今後は顧客情報をより多く、より細かい情報を預かる必要があるため、その情報の取り扱いが課題となる

     これらのことを総合的に進めていくためには、必然としてクラウドとなると考えている。