| 「ゲーム産業革命の本質」 CESA 和田理事長 H23.9.15 |
1.ゲーム市場の歴史 ・時代ごとに次々とけん引役が登場し、前世代のけん引役にとって代わるのではなく、地層のような積み 重ね、上乗せすることにより、ゲーム市場全体を拡大してきた。しかし、ぶれる傾向が強い。 ・ゲーム市場のドライバーは、コンピュータの処理能力、Input、コミュニケーション、Outputの4つがある。 ・コンピュータゲームは複雑なアプリケーションを動かすので、専用のハードが必要となり、当初は高価な ものであったため、お店がハードを購入し、お客様が利用した時間でお金を取る形態で、発展してきた。 ・その後、任天堂がファミコンを出し、家庭用ゲームが出来るようになった。当初は一台のファミコンで一つの ゲームしか出来なったが、その後、1台のハードで、複数のゲームが出来るようになり、市場が拡大した。 その頃、家電メーカがゲーム業界に参入してきた。この頃まではゲーム専用機であった。 ・PS2、XBOXからゲームだけの利用が減ってきた。パソコンでゲームが出来るようになり、更に拡大した。 お客様がゲームをするために支払う費用が減少してきたのに伴い、お客様が増えた。 ・携帯電話が進歩してきた。汎用機でゲームが出来るようになり、更に、利用者が増えた。 2007年以降にネットゲームをするようになってきた。ネットワークがプラットフォーム化し、大きく変わった。 今後はブラウザでゲームをするようになり、処理はクラウドで行うようになり、マーケットが拡大していく。 それに伴い、初めてゲームをする人が増え、やる気満々の人から、気軽に楽しみたい人が増えてきた。 今後、コンピューティング処理がクラウドに移れば、投資先もクラウド側に移り、産業がまるっきり変わる。 インフラだけでなく、利益の源泉や制度も変わってしまうため、作り手としては変化に対応する必要がある
・けん引役となるゲーム要素から見た場合にクラウドは、2000年までのけん引役だったプロセサパワー、 2010年までは、コントローラが登場した後、タッチパネル、モーションコントロールまど、様々な装置が 登場して、入力方法の革新が続いた。第3のけん引役はコミュニケーションになると考えており、クラウド により、ゲーム体験やユーザー、ビジネスモデルが変わると考えている。クラウド革命はまだ始まった ばかりで、 ほかのエンターテインメントとの競争も厳しくなるが、チャンスも拡大する、との見方である。
・ビジネスモデル(課金)としては、ユーザーの満足に従った課金になる。ソーシャルゲームの課金では、 マイクロペイメントが可能となりユーザーが満足したものには対価を払う形態になっていると指摘した。 ・ユーザーにとっての価値は、これまではゲーム機やゲームタイトルであったが、コンテンツに変わっている。 最近はユーザーの体験の蓄積が価値となってきた。ユーザーの体験は、複数のユーザーとのやり取りが 増えるほどコピーは難しくなるという特徴があり、個人的にしか再生できないものには金を払ってくれる。
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