Direction2011   H23.7.27

 1.クラウドによる情報革新  トレンドマイクロ社長  Eva Chen(エバ・チェン)

   ・情報量が爆発的に増加しており、社会を変える時期になっている。

    2008年の米国におけるモバイルデータトラフィック総量は1エクサバイト(1000ぺタバイト)である。

    2009年のグローバルデジタルデータ総量は800エクサバイト(0.8ゼッタバイト)に増加している。

   ・2020年の総デジタル情報量は35ゼッタバイトになる見込みで、11ゼッタバイトがクラウド内にある。

   ・印刷技術が大量のヒューマンナレッジを本に保存し、広範囲に流布することを可能とした。

    印刷技術では著作権という制度を作り、製作者の権利を守ってきた。

    クラウドコンピュータによるデータの爆発的増加に対して、大量のデータを守る必要が出てきており、

    セキュリティ産業のイノベーションが必要となってきた。    

   ・ITインフラは、物理的環境から、統合化と最適化を目指して仮想環境を実現した。更に、データの

    共有化によるコストダウンのためにクラウド環境を実現してきた。

    クラウド環境により、どこからでもデータを利用できるようになったが、同時に誰がどこから自分の

    データにアクセスしているかのセキュリティを管理する必要が出てきた。

   ・情報が新しい価値を生み出すようになると共に、犯罪者の儲けが飛躍的に増加してきたことから、

    犯罪者はターゲットを絞り攻撃するようになり、大手企業での情報漏えいが頻発するようになった。

   ・従来のネットワークには壁があり、外からの攻撃から守られるようになっていたが、ネットワークが

    発達し、クラウドネットワークを利用するようになると、ネットワークが伸縮性があるように変わった。

    ネットワークの境界が伸び縮みすることにより、データとシステムが攻撃に対して更に脆弱になる。

   ・伸縮性のあるネットワークのセキュリティを管理するには、ネットワークと共に伸縮するセキュリティ

    全体を一元的に管理する必要があり、仮想的にコントロールする統合型のアプローチが必要である。

   ・伸縮性のあるネットワーク環境を守るには、アウトサイドインから防御するクラウドインフラとクラウド

    データと、インサイドアウトのクラウドデバイスとクラウドアプリケーションの4つ防御が必要である。

   ・クラウドインフラは仮想マシンとネットワークから構成されているため、仮想マシンに対してハイパー

    バイザー層で一括したセキュリティ管理を行うことでエージェントレス型ウイルス対策ができる。

   ・クラウドデータはデータとクラウドストレージの管理を考える必要があるが、システムとデータに分け、

    システムのストレージはプロバイダ等に任せて、データには小さな鍵をつけて自分で保護する。

   ・クラウドアプリケーションは色々な利用者が使うため、アプリケーションそのものを管理する必要がある。

    そこでSaaSを利用したセキュリティ対策を活用することとし、SaaSのセキュリティサービスを利用する。

   ・クラウドデバイスは多種多様なデバイスに対応すると共に、違法なデバイスを検出する必要がある。

    デバイスが利用する情報の流れをシームレスに管理し、一元化された場所で管理できるようにした。

   ・インフラの進化とネットワークの可視化、エンドポイントコンシューマ化に対応するため、エンター

    プライズセキュリティアークテクチャ「sCloud」ビジョンを実現し、集中センターで管理できるようにした。

   ・トレンドマイクロとしては、ウイルス対策に始まり、パラダイムシフトを予測、察知し、成功してきた。

    クラウド時代の伸縮性のあるネットワーク環境を守る4つの支柱も道のりであり、今後も取り組んでいく。


 2.
CloudA Tale of Two Journeys  VMware.Inc Senior Vice President Raghu Raghuram

   ・クラウド時代には2つの移行プロセスがある。

    ユーザは相互に接続されたモバイルに対応した情報中心型の世界への移行がある。

    IT部門は新しいITアーキテクチャとビジネスモデルにより、複雑性が提言した環境への移行がある。

   ・IT業界が直面する課題としては、インフラストラクチャの変革(提供)、アプリケーションの変革(構築)、

    エンドユーザによるプロビジョニングの変革(インフラ)がある。

    ITの新しい階層化のモデルとして、クラウドインフラストラクチャの自動化、新しいアプリケーション

    プラットフォーム、新しいエンドユーザコンピューティングを推進していく考えである。

   ・YMwareIT部門にもたらすメリットは運用コスト削減と共に、ITのスピード感が速くなることであり、

    エンドユーザにはシンプルであることがポイントである。

    VMwareでアプリケーションを自由に動かすためには、共通に管理できることが必要である。

    信頼性を確立するには、セキュリティ対策とコンプライアンス実証が必要である。そのためには、

    オープンなAPIを使ってもらう必要があり、論理的な世界でセキュリティを当てはめる必要がある。

    仮想データセンタはネットワークのエッジ境界ところで保護し、一元的に管理する必要がある。

    アプリケーションはアプリケーションの世界で保護する必要がり、相応しいトラフィックのみが動作

    することを保護することである。新しい形でデータを提示することが出来、高度な分析が可能となる。

   ・パソコン以降の時代のサービスを考えており、タブレットや電話(スマートフォン)への展開に対応する。

   ・ユーザは複数のデバイスを利用するため、セキュアな管理されたアクセスを管理ことが必要である。

   ・Vmware社としては、クラウドはベンダーのクラウドではなく、サービスのクラウであると考えている。