地域課題発見の方法、地域組織化と地域活動のリーダーの役割 牧岡先生
・講師は川崎市で共育広場を主催しており、地域を良くするための仕掛人として活躍されているので、牧岡さん
に今回の授業をまとめて貰いたいと考えている。講師は明治学院大学で社会福祉の勉強して、実際の現場で
活躍している。講師は自分がやりたいことをやってきただけであると言っている。今日はピンクシャツデーなので、
ピンクのシャツを着てきた。 2月第4水曜日はピンクシャツデーであり、暴力やイジメをなくする運動の日である。
・今日のお話は、専門的に仕事をやめてから感じたことが多いので、その話をしたいと思う。屁理屈も100回言えば
理屈になると言われている。地域の人にどれくらい町が好きかということを調べたことがある。小学生(7〜13歳)
は好きがもっとも高くなっている。その後、中学生や高校生になると好きの度合いが下がっていく。子育ての時期
にもう一度好きの度合いがもっとも高くなっている。その後、リタイアして、町への好きの度合いが減少する。その
後は好きの度合いが上がる場合と閉じこもってしまい下がる場合に分かれる。これは20年前の調査であり、今は
変わってきていると思う。中学生でボランティア活動の話を聞きにきていたので、自分の近くでボランティア活動を
やったらどうかと言うと知り合いがいるので嫌だと言った。人間、一生の生活の中で、色々な事情から点と点を
きらないといけない時が来る。そのため、点と点をつなぎ、守っていくことが重要だと思う。
・今、同窓会やクラス会が盛んになっているが、川崎では同窓会やクラス会は盛り上がっていない。川崎で県人会や
会社OB会が盛んになっている。内容的に大きな変化を見せている。点と点の間の拡がりが出来てきた感じがある。
小林徹也さんと言う人が病気になり、川崎で一人で暮らしていた。病院で講師を良く知っている人が小林さんに会い
講師と小林さんとのつながりが出来た。ある時、1週間を食べたと言ったが、人と人との話は1週間分食べたという
ことであった。小林さんが病院に入院した時、隣のベットの人が小林鉄也さんだった。退院したら、小林鉄也さんを
連れてきた。小林鉄也さんは2回くらい来て、来なくなり、自殺した。小林徹也さんも一人で亡くなったが、妹が来て、
小林さんが幸せに暮らしているという手紙を見せてくれた時に、つながっていることが大事だと思った。苦しくなったら
線を切る、支え合ったりすると線を引くのである。リンゴの会は認知症や寝たきりの人が集まる会である。川崎でも
認知症の人が10年間周りの人に支えられて暮らしてことがある。地元のお店の女将さんっだ人が認知症になった。
長男が母親を色々なところに連れていき、みんなに紹介した。お店に来ても徘徊するが、知っている人が見つける
とお茶に誘って保護して上げた。子供たちもこの人に声をかけるようになり、地域の人がみんなが守ったので、問題
なく10年間暮らすことが出来た。元気な内に助けてくれと言えたら良いのに、助けてくれと言えない傾向がある。
周りとの付き合いがあれば、プライバシーが壁になるが、状況によってはその壁は大きく変わると考えるべきだ。
・行政の人は融通がきかないと思うことがあるが、行政の人は制度に従って動いているのである。また、行政には
転勤がある。そのため、点と点のつながりではなく、面と面でつながることが大事であると思う。地域の中に面を
作って行けば、更に、高い要求が出てくることになり、良くなっていく。
・地域福祉の目的は、地域福祉は利用者が地域社会において自立した生活が送れるように地域社会を通して援助
支援することである。この地域社会を通してと言うことはどういうことか。地域福祉の主体は多元化している。従来
のように行政だけが推進するのではなく、多元的な主体が協働して推進する時代になっている。人に関しても、
福祉の専門従事者だけでなく、福祉の利用者もふくみ地域住民が主体とすることが考えられる。猫の好きな体の
不自由な人が自分が持たなくなったので、自分だけで福祉施設に行った。残された猫を誰が見るのかという課題
が出てくる。自治会長が残された猫の面倒を見ていたが、非常に怒っていた。何故、猫を残していくと言うことを、
地域に言ってくれなかったのかと言っていた。地域の活動には程良い距離が必要になる。小さな親切、大きな節介
と言うことがあるが、これは地域では必要である。気がついた人が気がついた時に発信することが大切であると
思う。仕事をやめて感じたことは、市民の活動はやりたい時にやり、やめたくなったらやめて良いのではないかと
思う。市民の活動と公的機関の活動は違って良いと思う。公的機関の活動では委員会を作ってやることが多いが、
それでは息切れしてしまう。
・元気な老人、恰好良い年寄りはモデリングとして大事だ。地域での許し合いがないと上手く変われない。緩やかさ
が大事であると思う。地域では、相手に直接言うより、聞こえるように独り言をいうことや、伝わるようにささやくこと
も大事である。雑談や立ち話から嘉瀬を流すことも必要であるが、男性は不得手である。
「感想」牧岡先生は川崎で長年、地域福祉に取り組んでこられてことから、具体的な例が多く示されて、説明して
頂いので、分かり易かった。また、現実の課題を解決するには、融通性のある取り組みが大事ということも
納得できた。市民の活動は、やりたい時にやり、やめたくなったらやめると言うのも福祉活動に取り組む時
の考えとしては大事なことではないかと感じた。