住む人みんなで創る福祉のまち      静岡市社会福祉協議会  種石先生

  ・静岡市の社会福祉協議会の活動状況は、旧静岡市と旧清水市の福祉活動の経緯が大きな影響を与えており、

   福祉に対する意識の差が大きい。民生委員が何故赤い羽根の募金に協力するのかと聞く人もいた。旧静岡市は

   元来、城下町であり、行政が福祉活動を手厚く何もかもやっていた。広報誌を配布する場合も1軒につき1円を

   支払っていた。一方、旧清水市は漁業などが中心の町なので、福祉活動は自分でやるしかない状況であった。

   また、お祭りも多い。阪神震災の復興でも、地域活動が活発な地域とそうでない地域では対応が大きく違っていた。

   復興作業は行政の仕事だとか、民生委員の仕事だと言って、何もしない人達では上手く回らない。地域活動して

   いる達が事前に何が足りないかを調べたり、誰がどこでどのようなことで困っているか調べてまとめていたので、

   支援する人達も必要なものの手配がスムーズに進み、復興作業が円滑に進むことになった。

  ・少子高齢化に対して地域社会も変化しているが、根っこのところで変わっていな部分がある。地域社会では、従来は

   子供会、青年団、消防団、町内会というように地域社会の中で段階的に教育するシステムがあったが、今では青年

   団がなくなっており、社会で教育していく仕組みがなくなっている。

  ・人口が減って、世帯数が増えている。何処の家に行っても、認知症や寝たきりの人が出てくる。特別な人の問題から、

   誰もの問題となり、福祉の質の国民化が必要である。50歳代の引き籠りもいる。DVから被害者を匿うこともある。

  ・社会福祉協議会の世界では排除しないという考えである。何故もっと早く言ってこなかったのかというより、そこから

   始めようということにしている。みんなで考えようという考えである。ごみ屋敷は出て行ってくれということが多いが、

   その人に寄り添って解決していくようにしている。行政は環境整備をするところだと思っている人が多いが、環境の

   中身は行政の問題ではない。そこを行うのが社会福祉協議会であると思っている。やっていないところをやるので、

   隙間産業と言われたこともある。

  ・小地域活動は問題の早期発見と迅速な対応であり、そこに暮らしたいというようにすることである。生活の場での問題

   は利害が一致したところがある。ちょっと手伝うということで良くなることがある。ボランティアが奇特な人だという考えを

   変えていく必要がある。学ぶ時の醍醐味はすごいと思う。自分が何だろうと考えた時に見方が変わってくる。

   昔、工場で働いていた時に疎外感があった。疎外感は何か考えた。公民館に行くと社会教育が出来る。ボランティア

   は偽善者でなく、社会を変えていく人と思った。

  ・地域福祉の実現には本当の意味で制度はしっかりするべきだと思う。高齢者の介護を在宅でやると言っても今の状況

   では難しい。心が動けば、身体が動くことを信じたいと思っている。福祉に行っても良いが、少なくとも深く理解すること

   である。浅はかな理解は相手を傷つけることがある。困らせる人は困っている人と理解すべきである。

  Q.福祉を行う時は相手の中に入っていく必要があると思うが、どうしているのか。

  A.人と人との距離感があるので、そこを考えておくことが必要である。時によっては、知らない顔をすることも必要である。

   時間が必要であると思うことである。

  Q.人はすべて違うのではないか。

  A.その人を尊敬することがポイントである。びっくりするようなことがあっても、直ぐに驚かないことも必要である。

  「感想」静岡の現場で活動している人のお話を聞けたことは有益だったと思う。しかし、良く理解できない部分もあった。

       今回のお話でも行政と福祉の関係が難しい状況という感じがした。