高齢者の健康と体力  −心と体の元気づくりー     教養教育センター  亀ケ谷純一先生

  ・私は以前から変な音が聞こえたり、耳が聞こえにくくなったので、治療したが治らなかった。老化は進んでいく。

   日本人の寿命は男が80歳、女が86歳で、男女合わせて世界一である。女性が6.4歳、男より長生きする。シンバブエの平均寿命は36歳で短い。

   オールドパーで有名になったトーマス・パーは152歳で食べ過ぎで亡くなった。人間の余命70%は遺伝であり、30%が後天的なものと言われている。

   松尾芭蕉は46歳と時に奥の細道の旅に出た。全行程は2500km150日で歩いており、一日に歩いた距離は平均15kmで多い時は50Km歩いている。

   最近、流行になってきた四国遍路は1400kmで、健康のために歩いている人が増えている。先生は来年60歳になる。8年前までは3世代同居だった。

   おじいさんが90歳の時3mの崖から落ちて、骨折したが、リハビリをして、元気になり、101歳まで生きた。生活は几帳面で、朝起きる時間やお風呂に

   入る時間などいつも決めており、お酒毎日飲んでいたが、いつも同じ量を飲んでいた。生活のリズムを変えないことが大事な感じがした。おばあさん

   97歳で亡くなったが、1ケ月くらい前に入院した。その時、おばあさんは子供や孫たちを育てたのはこの時に自分の面倒を見て貰うためだったので、

   自分の面倒を見るように言った。おばあさんは近所のおじさんの面倒を見ていて、毎日、山の上に上がったり下がったりしていたので、体力があった。

  ・生活習慣病は30歳〜40歳になって発症するので、成人病を言われていた。その後、生活習慣により発症する病気ということになった。食習慣、運動

   習慣、喫煙、飲酒などが肥満と合わせて出てくる。煙草を喫っていた人が喫うのを止めたら、ストレスが増えてきた。高齢になって、飲酒を止めたら

   身体を壊すことがある。酒もたばこも止める場合は少しづつ行い、身体の負担を抑える必要がある。

  ・日本人の生活習慣病の現状を見ると、生活習慣病で男女とも高血圧と高血糖が増えてきて、肥満が減少している。死因別死亡率ではがんと心疾患

   が多いが、肺炎は10%くらいであるが死亡率が高いので、高齢者は風邪には注意する必要がある。

  ・加齢と共に体力が減少するが、特に、最大酸素摂取量が落ちていくので、トレーニングしていく必要がある。最大酸素摂取量が落ちると長時間歩くの

   が辛くなっていく。加齢に伴い、筋量が低下するが、45歳から筋繊維の太さが細くなり、筋繊維の数も減少する。筋量を維持する必要がある。普通の

   生活を送るには、活動な生活を送り、寝たきりにならないことである。病気等で寝たきりになると体力の回復が出来なくなるということである。高齢者

   でも筋肉トレーニングが有効と言われている。どの年代もトレーニングは効果があり、トレーニングを休むと直ぐに筋力が落ちる。再度、トレーニングを

   すると筋力が伸びてくる。身体を鍛えるために、愛知一中の日比野校長の言葉があるが、少しづつ負荷をかけて行けということである。寝ている者は

   立て、起きられる者は立て、立てる者は歩け、歩ける者は走れ、走れる者は競争しろということである。高齢者には走るのはきつ過ぎるので、歩くこと

   である。更には、ジョギングをする必要がある。

  ・普通の人は普段の心拍数が7080くらいであるが、普段の心拍数が100以上である人は気をつける必要がある。運動をしている人は心拍出量が

   大きいので、普段の心拍数が非常に少ない場合がある。心拍数は普段は低い方が良い。有酸素運動をすると心拍数が60から140に、2.5倍くらい

   になり、呼吸量も4lから50l10倍以上になる。拍出量も3.6lから14l5倍以上になる。有酸素運動により、心拍数と血流量が増えることで、毛細血管

   を発達させることが出来る。有酸素運動の目安は心拍数が100から120くらいになる場合で、身体にはやや楽からややきついくらいが良い。運動を

   すると毛細血管が太くなり、血流が良くなる。

  ・筋力トレーニングには静的トレーニングと動的トレーニングがある。静的トレーニングは両手の平を合わせて押すように筋の長さに変化のない場合

   であり、動的トレーニングは筋肉を縮める短縮性収縮と、伸ばす伸張性収縮の2つがある。早歩きをする人は筋力がそれだけ使われているのである。

  ・筋力トレーニングのターゲットには、上肢帯と下肢帯、体幹があり、上肢帯には三角筋と大胸筋があり、三角筋を鍛えるには腕を肩より上にあげて

   回すと良い。下肢帯には大殿筋、中殿筋、大腿直筋、直腸筋があり、高齢者には腸腰筋を特に鍛えることが大事である。体幹には腹筋、背筋がある。

   背中を伸ばす腹直筋と足を上げる大腿直筋など、下半身の筋力を鍛えることが必要である。

   筋力トレーニングのターゲットは上肢帯、下肢帯、体幹の筋力を鍛えることがポイントである。足元に気を遣うようになると気をつける必要がある。

   転ばないことが大事であり、そのためには慌てないことである。足が衰えだすと片足立ちをしてバランスを取る練習をするとセンサ機能が改善される。

  ・高齢者は、骨・筋肉が弱り、運動しなくなり、病気になり、更に、運動しなくなる悪循環になる。高齢者の悪循環を避けるために、運動をすることである。

   腸腰筋(大腰筋)を鍛えることが重要である。股関節を使うためには、腿を引き寄せる筋を強化することであり、上向きになり脚を引き寄せることで

   鍛えることであるが、高齢者にはちょときつい。大腸筋エクササイズは、背筋を伸ばしその場で足踏みをする。太ももを床と平行になるくらい上げる。

   一番良いのは階段を上ることである。顔を上げ、背中と骨盤までを真っ直ぐにする。膝を曲げないようにっし、お尻と腿裏の筋で登ることである。

   しかし、
階段を下る時は気をつける必要がある。 姿勢を良くすることが日々のトレーニングになる。

「一言」高齢者の健康状態や体力をつける話をまとめて聞いた。非常に興味があり、楽しく勉強することが出来ました。